株式会社レオパレス21は、従業員の健康維持やワークライフバランスの確保を主な目的とし、「勤務間インターバル制度」を2018年9月1日より全従業員を対象に導入した。
レオパレス21、11時間以上の勤務間インターバル制度を段階的に導入 制度が普及する欧州の基準レベルに合わせる

同社はこれまで、2014年1月にワークライフバランス推進室、2018年5月にヘルスケア推進室をそれぞれ社長直轄組織として設置。リフレッシュ休暇・時間単位有給制度の導入や、食生活改善プロジェクト・禁煙減煙運動の実施など、社員が健康でイキイキと働ける環境整備に努めてきた。

甲斐あって同社の時間外労働時間は3年連続で減少しており、2018年3月期においても18.2時間と20時間を下回っている。このたび新たに「勤務間インターバル制度」を導入することで、さらなる時間外労働時間の削減による働き方改革および健康経営を推進する構えだ。

同制度の導入スケジュールは、2つのフェーズに分けられる。

【第1フェーズ:2018年9月1日~2019年3月31日】
健康管理のための努力義務・指標として検証を兼ねて実施。
(※月10日以上インターバル11時間を下回った場合、医師等による面談を実施)

【第2フェーズ:2019年4月~(予定)】
就業規則に明記し、インターバルを義務化。突発的な業務によりインターバル確保が難しい場合は、翌日の業務開始を後ろ倒しにすることをルール化。
(※インターバル時間および対象者などの制度概要は、第1フェーズの運用状況を見た上で決定)

厚労省の2017年の調査によると、日本でのインターバル制度導入企業はわずか1.4%。また今年7月には、総務省が「勤務間インターバル」が11時間未満と短い人が10.4%に達するとの推計をまとめた。

こうした中、政府は長時間労働是正対策の1つとして、「勤務間インターバル制度」の導入企業の割合を2020年までに10%以上にする数値目標を掲げるなど、同制度の導入拡大が課題となっている。同社はいち早く政府の方針に賛同し、インターバル制度が普及している欧州の基準レベルに合わせ、インターバル時間を11時間以上とする同制度の導入を決定した。

(参考)
■レオパレス21の働き方改革に関するこれまでの取り組みと実績

・時間単位年次有給休暇制度の導入 (2016年4月~)
1年に付与する年次有給休暇のうち5日を上限として、1時間単位で有給休暇を取得できる制度を2016年4月に導入。

・テレワークの導入 (2016年5月~)
情報通信技術を活用した、場所や時間にとらわれない働き方。週に4回まで、出社せずに自宅で業務が可能とする取組み。活用の幅を広げるために、今後は全国にある当社店舗の一部スペースを社内サテライトオフィスとしてテレワーク勤務を可能とすること、また共用型サテライトオフィス(コワーキングスペース)の活用も検討していく。

・『健康経営優良法人2018(ホワイト500)』選定 (2018年2月20日認定)
経済産業省・日本健康会議が主催する「健康経営優良法人2018(ホワイト500)」に選定された。「健康経営優良法人認定制度」とは、地域の健康課題に即した取組や日本健康会議が進める健康増進の取組をもとに、特に優良な健康経営を実践している大企業や中小企業等の法人を顕彰する制度。

・時間外労働時間の削減
2014年のワークライフバランス推進室設置以降、社員に業務の効率化・生産性向上の意識醸成を促進した結果、時間外労働時間の大幅削減を実現。
〈時間外労働時間の推移〉
2015年3月期…27.8時間
2016年3月期…22.4時間(前年比-19.4%)
2017年3月期…20.0時間(前年比-10.7%)
2018年3月期…18.2時間(前年比-9.0%)

・有給取得率の向上
リフレッシュ休暇・時間単位有給休暇制度の導入などにより、有給取得率が大幅に改善。
〈有給取得率の推移〉
2015年3月期…33.0%
2016年3月期…70.1%(前年比+37.1p)
2017年3月期…72.2%(前年比+2.1p)
2018年3月期…74.1%(前年比+1.9p)

※ 健康経営®は、NPO法人健康経営研究会の登録商標です。

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