損保ジャパン日本興亜ひまわり生命保険株式会社は2018年7月、20代~50代の有職の女性 1,091 名を対象に「乳がんと就労に関するアンケート」を実施、結果を公表した。
この調査は、乳がんを罹患した際の就労についての意識・実態を明らかにし、あらためて自身の健康意識を見直すきっかけを作るために行われたものだ。
乳がんと就労に関するアンケート 年代により仕事を続けることへの不安要素が違うことが明らかに

調査では、まず「あなたは乳がんを罹患したら、今の仕事を続けたいですか」と尋ねると、約半数(51%)の女性が、乳がんを罹患した際に今の会社で働きたいと回答。

また、働き続けたくないと回答した人(28%)にその理由を訊いたところ、休みがとれないこと、仕事量・労働時間などを不安視していることがわかった。

次に、「あなたは乳がんを罹患したら仕事量を変えたいですか?」と尋ねると、「変えたい」が51%、「変えたくない」が24%という結果。

続けて、「乳がんを罹患したら労働時間・労働環境を変えたいですか?」という問いに対しても、「変えたい」が55%。

がん罹患と就労について研究・活動を続けているキャンサーソリューションズの桜井なおみ氏のコメントによると、乳がんに罹患した際、労働環境・仕事量を変えたいと思っていても、変えられないと諦め、辞めてしまっている人が多いのではないかとの見解を示してる。

年代別に、「乳がんに罹患して仕事を続ける場合、仕事面での不安なことは何ですか?」と尋ねると、各年代のTOP3は以下の通り。

【20代】 1位:仕事量 2位:労働時間 3位:労働環境 
【30代】 1位:人間関係 2位:精神面 3位:休暇体制
【40代】 1位:家庭との両立 2位:仕事量 3位:精神面
【50代】 1位:精神面 2位:休暇体制 3位:人間関係

また同じく年代別に、「乳がんを罹患したら、生活の中で不安なことは何ですか?」と尋ねると、各年代のTOP3は以下の通り。

【20代】 1位:子育て 2位:仕事 3位:家事 
【30代】 1位:子育て 2位:周囲との人間関係 3位:情報の収集 
【40代】 1位:治療費や生活費などの金銭面 2位:治療 3位:情報の収集
【50代】 1位:家族の介護 2位:後遺症 3位:治療

前述の桜井なおみ氏は、以下のように述べている。

「20代~50代は、社会の中でも家庭の中でも、中心的な役割を果たさなければならない時期です。そこに病気が重なってくる可能性も十分にあるので、事前に自分のライフプランの中に病気になることも含めて考え、備えておくことが大切です。困ったときに誰にサポートを頼むのか、どのような病院があるのか、どのくらいのお金が必要なのか、という情報を集めておくなどできることから行動しましょう。」

(参考)
あなたは、乳がん検診をしたことがありますか?
【20代】 はい:58.7% いいえ:41.3%
【30代】 はい:56.5% いいえ:43.5%
【40代】 はい:74.8% いいえ:25.2%
【50代】 はい:83.2% いいえ:16.8%

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