テレワークのデメリットは、時間的な労働負荷の増加
次に、「テレワークで働きたくない、わからない」と回答した人の理由について見てみよう。エン転職の調査結果では「仕事とプライベートをハッキリ分けたいため」という意見が44%でトップ。その他、「長時間労働など時間管理が不安なため」(28%)、「会社にいる時と同じ効果をテレワークで出せるか不安」(26%)という声が挙げられている。
ザイマックスの調査でもテレワーク導入前に抱いた不安について、仕事のON/OFFの切り替えや長時間労働への懸念に加え、仕事のコミュニケーションが減ったり、ホウレンソウがしづらくなったりするのではと感じていた人が多いことが示されている。
しかしそれらが実際にデメリットになっているのかを見てみると、労働時間面の不安とコミュニケーション面の不安では、テレワーク経験者の感じ方がやや違うようだ。
仕事のON/OFFがつけにくく長時間労働になりやすい労働負荷の点は、テレワーク未経験者の不安通り、経験者の多くもデメリットに感じているという結果になっている。
一方で、コミュニケ―ションの不安については、実際にデメリットに感じている人は1~2割程度にとどまっている。オフィスに行かなくても、やりとりの不便さはさほど感じないようだ。
日本でテレワークを広めるための課題
エン転職の調査では、テレワーク経験者の約8割が今後もテレワークで働きたいと回答している反面、約1割の人が今後はテレワークで働きたくないと答えている。テレワークで働きたくないという人の中からは、多くの人の不安と同様に、「好きな時間に起きて好きな時間に働くような生活になってしまい、生活のリズムがおかしくなってしまった。」「自宅で仕事をしていた時期はプライベートとの線引きが難しく、終業後もパソコンを開いて作業をしてしまっていた。」など、時間的な労働負荷を感じているという声が挙がっている。
また、コミュニケーションの面でも、「仕事に集中できる反面、確認したいことが電話やメールだと伝わりにくい。」「業務の難しさや時間のかかり具合を上司が把握しておらず、短時間でできるはずだと思い続けられたため、正当な評価を得られなかった。」などの経験をしている人がいるようだ。