新卒学生が就活で知りたい企業情報は「仕事内容」、「面接での質問内容」、「社風」
同調査によると、2019年卒学生が就職活動で知りたい企業情報トップ3は、以下のようになっている。・仕事内容について具体的に:69.4%
・面接での質問内容について:57.3%
・社風、社内の雰囲気:51.9%
案の定というべきか、「仕事内容」について詳しく知りたい学生が最も多く、7割近くが知りたい企業情報に挙げた。職業経験のない学生は、部門の名前だけを見ても、実際にその部門に所属する社員がどのような仕事をするかをイメージしづらいことが多いためと思われる。
「面接での質問内容」については、どのような質問をされるのかが事前にわかっていれば対策を講じることもできるし、質問内容からその企業が求める人材像なども把握できるためと思われる。
また、選考内容・プロセスに関する情報の需要も高く、上記「面接での質問内容」のほか、「詳しい選考フロー」についても、5割以上の学生が知りたいと回答している。入社したい企業の選考に対して入念に対策し、全力で臨みたいというのは、学生の本音だろう。
ここで注目したいのは3番目の項目。新卒学生の半数以上が、就職活動に際して「企業の社風」を知りたいと思っている点である。極めて抽象的であいまいな概念である「社風」といった要素だが、昨今の学生の半数以上はこれを重視しているのだ。
別の調査からも、近年の学生が就職活動において、企業の社風を重視していることがわかっている。株式会社楽天が運営する「楽天みん就」が実施した「19卒 みん就フォーラム 参加者アンケート」によると、企業を選ぶ際の軸(上位2つ)について、「社風が良いこと」と回答した割合は37%で、3分の1以上が社風を就職活動の軸としていることが明らかになっている。「やりたい仕事ができる」(28%)、「働きがいがある」(20%)などを上回り、1位という結果だ。
さらに、「入社したい企業を決める上で最も重要なポイント」についても、「会社の雰囲気」と回答した割合が46%と、他の要素(「仕事内容」「給与・福利厚生」など)を大幅に上回って1位となっている。
同アンケートに寄せられている回答者からの自由コメントも興味深い。「協調性を大事にしていきたいから、社風は重要」、「すべての仕事に人間関係が存在すると思う。40年間を一緒に過ごすのだから雰囲気は見ておきたい」といったリアルな声が集まった。
実際に、従業員が退職するきっかけとなるのは、仕事内容や給与だけでなく、人間関係や社風であることも多いだろう。採用された学生とのミスマッチを防ぎ、人材の定着性を高めるためにも、採用応募者に、社風の情報を積極的に提供することが重要だと言える。