母集団形成
採用に最も重要なのは「母集団形成」ではないだろうか。求職者となる人材(母集団)をできるだけ多く集めることができれば、採用上のミスマッチを防ぎ、採用を優位に進めることができる。母集団形成を効果的に行うためには、どれだけ多くの求職者の注目を集められるかにつきる。そのため最近では、次のような手法が注目されている。(1)トレンドキーワード
注目されるキーワード(トレンドワード)を求人条件の前面に打ち出すことで求職者を集める方法である。近年話題となっているキーワードの例としては「副業OK」「在宅勤務OK」「有給休暇消化率100%」など。もちろん経営者からすると、権利意識・主張が強い求職者の気を引くことに懸念を抱く可能性もあるが、多少のミスマッチの割り切りは必要だろう。
(2)SNS(FacebookやInstagramなど)
最近では、「SNSでどんな発信をしているか」も、求職者が企業を判断するバロメータになっているようだ。そこに発信する内容が問われている。例えば、「プライベートでも社員同士の仲が良い!」という発信が多すぎると、プライベートまで同僚との付き合いを強制されるかも、というネガティブなメッセージになってしまう可能性があるので、注意が必要だ。
(3)リファーラル(紹介)求人
企業の雰囲気や、求人条件等を、既存社員が持つ人脈の中で紹介してもらう手法が、リファーラル求人と呼ばれるものだ。この方法のメリットは、紹介者である社員が採用に参加する意識が高まることや、既存社員が一緒に働きたいと思う人材を紹介するので、企業とミスマッチが起こりにくい事などだ。こうした紹介からの採用に、手当てを用意して紹介を促すなどの制度があってもいいだろう。近年では、WantedlyのようにSNSを利用したリファーラル求人サービスも注目されている。
まずは求人対象を明確にし、その母集団形成のために、これら新しい手法も駆使しつつ、一歩進んだ採用活動を進めてみてはいかがだろうか。
社会保険労務士たきもと事務所
代表 瀧本 旭