約2割の学生が「内定承諾後の辞退はアリ」と感じている実態
“売り手市場”となっている近年の就活市場において、多くの人事担当者の頭を悩ませているのが「内定辞退」だ。最近では「採用予定人数の倍の内定を出す」といったケースもあるというが、実際に今まさに就活の佳境を迎えている25卒生における、内定辞退の実態はどのようになっているのだろうか。はじめにレバレジーズは、「内定を承諾すると、必ずその会社に入社しなければならないと感じるか」と尋ねた。すると、「感じる」とした学生が71.4%(非常に感じる:24.6%、やや感じる:46.8%)と7割を超えた一方で、「感じない」とした学生も19.5%(あまり感じない:14.7%、全く感じない:4.8%)と2割に迫り、決して少なくない結果となった。
こうした結果に対して同社は、「内定承諾へのハードルが低いと、入社前辞退につながる可能性が高まる」と推測した上で、「企業は、学生が内定承諾をどのように捉えているか注意する必要がある」との見解を示している。
6割以上が「内定を承諾せずに辞退した企業がある」と回答
次に、調査時点ですでに内定を獲得していた学生に対し、「内定(内々定)を承諾せずに辞退した企業はあるか」と尋ねると、62.6%が「ある」と回答した。同社はこの結果を踏まえ、「6月以降に選考実施される企業の結果を待って辞退をする学生もいるため、今後内定辞退率はさらに上がることが見込まれる」としている。
「内定辞退の連絡をしない」とした学生はごく少数に
続いて、内定辞退の経験がある学生に「内定辞退の連絡手段」について尋ねたところ、「電話」が最多の59.1%、次いで「メール」が57.7%となった。他方で、「特に何もしない」と回答した学生は3.6%にとどまったことから、内定辞退の判断をした学生のほとんどが何らかの手段で企業に連絡を行ったことがわかった。はじめの質問において、学生にとっての内定辞退のハードルの低さが懸念されたものの、“サイレント辞退”を行う学生はごく少数であるようだ。「転職ファストパス」の利用意向を示す学生は6割超
最後に同社は、新卒で内定辞退した経験がある学生を対象に、「新卒で内定辞退した企業において、転職ファストパス(※)があれば利用したいか」と尋ねた。その結果、「ぜひ利用したい」が29.2%、「やや利用したい」が32.9%となり、合計して62.1%が“転職ファストパス”の利用に意欲を示した。※転職ファストパス:新卒の内定辞退者に向けて中途採用試験の一部選考免除を付与する取り組みを指すトレンドワード