アクシス株式会社は2024年7月29日、「静かな退職(Quiet Quitting)」に関する意識調査の結果を発表した。調査日は2024年7月21日で、日本国内の就業経験がある10代~60代の男女300人(10代:1名、20代:43名、30代:137名、40代:75名、50代:33名、60代:11名)より回答を得ている。調査結果から、幅広い年代において「静かな退職」のような働き方をどのように捉えているかが明らかになった。
日本国内で「“静かな退職”をしている」と自覚する人は6割に。30代・40代・50代にも広がる“Z世代らしい”考え方

「静かな退職」の認知度は48%で半数に届かず

「静かな退職(Quiet Quitting)」とは、仕事へのやりがいや熱意を抱かず、必要最低限の仕事だけをこなす働き方を指す。2022年に米国のキャリアコーチがSNSに投稿し、後に別のユーザーが投稿した動画が話題になったことなどから、注目されるようになったという。日本においては、特にZ世代の若年層において“がむしゃらに働くこと”が良しとされておらず、「仕事のために生きる」という考え方ではなく、「最低限の生活をするために働く」といった考え方が広まってきている。では、Z世代以外の世代の人々においては、こうした考え方はどのように捉えられているのだろうか。

はじめにアクシスが、「静かな退職(Quiet Quitting)を知っているか?」と尋ねると、「知っている」が31%、「聞いたことはあるが、意味は分からない」が17%、「全く知らない」が52%となった。「静かな退職」という言葉自体を知っている人は半数に満たないことがわかった。
静かな退職(Quiet Quitting)を知っているか?

自身が「静かな退職をしている」と感じている人は6割に

次に同社は、「“静かな退職をしている”と感じるか?」と尋ねた。すると、「感じる」が26%、「少し感じる」が34%で、合計は60%となった。前質問で「静かな退職」という言葉を知っている人が半数に満たなかったものの、実際には自身が「静かな退職をしている」と感じている人は6割にのぼるようだ。
“静かな退職をしている”と感じるか?

「仕事は最低限の範囲で行いたい」と考える人は8割以上

同社は続いて、「仕事は最低限の範囲で行いたいか?」と尋ねている。すると、「そう思う」との回答が34%、「少し思う」が47%となり、合計は81%だった。8割以上の人が、最低限の範囲で仕事を行いたい意向を持っていることがわかった。
仕事は最低限の範囲で行いたいか?

8割超の人が仕事は「お金を稼ぐ手段」と考えている

最後に、「仕事はただの“お金を稼ぐ手段”であると思うか?」と尋ねた結果、「思う」との回答は合計で83%となった(強く思う:39%、少し思う:44%)。大半の人が、仕事を「生活のために行うもの」と考えていることがうかがえる結果となっている。
仕事はただの“お金を稼ぐ手段”であると思うか?
本調査では、「静かな退職」という言葉を知っている人は半数に満たなかったものの、実際には「静かな退職」のような行動をとっている人が多くいることが見て取れた。また、「最低限の範囲で仕事をする」といった価値観を持つ人が増えており、働くこと自体も「生活のため」と捉えている人が大多数となっていた。これらの結果から同社は、Z世代だけでなく全ての世代において「仕事」への価値観が変化してきていると見ており、「Z世代特徴の“頑張らない働き方”がZ世代以外にも浸透してきている可能性がある」との見解を示した。調査対象のボリュームゾーンが30代~40代であることを踏まえても、企業は今後、若手人材に限らず幅広い年代の従業員や求職者に対して、働き方や価値観の変化を受け入れていく必要がありそうだ。

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