株式会社タニタは、2024年7月11日に「熱中症に関する意識・実態調査 2024」の結果を発表した。第6回目となる今回の調査は2024年6月4日~5日に実施され、全国の15歳以上の男女1000名より回答を得ている。本記事では調査結果をもとに、「熱中症警戒アラート」に関する認知度や、熱中症を回避するための行動について確認する。
「熱中症警戒アラート」発令で“今日明日”の予防行動、3割の人が危険度判断の情報源に。従業員の健康を守る働き方対策とは

熱中症警戒アラートの認知率は8割以上。認知率は年々上昇

「熱中症警戒アラート」は、熱中症の危険性が極めて高い暑熱環境が予測される場合に、気象庁と環境省により発令される。判断の基準には「暑さ指数(WBGT)」が用いられ、気温、湿度、輻射熱(日差し等)、風等の指標をもとに算出される。その日の熱中症危険度を判断する指標にする人も多いと考えられるが、実際にどれほどの人が認知し、予防行動をとっているのだろうか。

タニタがまず「熱中症警戒アラートについて知っているか」を尋ねると、「どのようなものか知っていた」が39%、「名前は聞いたことがあった」が43.1%で、両者の合計は82.1%となった。8割以上が熱中症警戒アラートについて認知しており、その認知率は年々上がっていることがわかった。
熱中症警戒アラートの認知度

2024年新設の“熱中症特別警戒アラート”は過半数が認知

次に、「“熱中症特別警戒アラート”が新設されたことを知っているか」を聞いたところ、「名前は聞いたことがあった」は36.4%、「どのようなものか知っていた」は21.3%で、認知率は57.7%となった。

なお、環境省が2024年4月に新設した“熱中症特別警戒アラート”(人の健康に重大な被害が生じるおそれがある暑さが予測された場合に、さらに強い警戒を呼びかけるもの)について、前回の2023年の調査時点で新設されることが決まっており、その際の認知率は44.1%だったという。今回の2024年調査では、運用開始を経て認知率が13.6ポイント上昇し、過半数を上回った。
熱中症特別警戒アラート新設の認知度

危険度回避に「熱中症警戒アラート」を利用するのは3割で前年より増加

次に、同社が「どのような情報から熱中症の危険度を判断しているか」と質問すると、最も多かったのは「テレビの天気予報」(2024年調査:45.6%、2023年調査:46.4%)で、次点以降は「天気予報サイト」(2024年・2023年ともに32.3%)、「熱中症警戒アラート」(2024年:29.9%、2023年:22.8%)が続いた。3位の「熱中症警戒アラート」は、前年から7.1ポイント上昇し、現在では3割近くが熱中症対策のための情報として活用していることがわかった。
熱中症の危険度について判断する情報源

8割以上が「熱中症警戒アラート」により自ら予防行動を取っている

最後に、熱中症警戒アラートの内容を理解している人に「熱中症警戒アラートが発表された際にどのような予防行動を取ったか」を聞いたところ、「何らかの予防行動を取ったことがある」という人の割合は合計83.8%と、8割を上回った。熱中症警戒アラートの発令を受け、今日・明日の行動を決めている人が多数いるようだ。

詳しい予防行動を見ていくと、2024年の回答結果で上位だったのは「喉が渇く前に水分補給」(53.6%)、「外出を控えた」(40.3%)、「いつもより積極的にエアコンを使用」(37.7%)だった。
熱中症の予防行動
例年の猛暑を受けて、企業の中には従業員に対して「在宅勤務」を推奨する動きも出てきている。暑い通勤時間帯の外出は体力を消耗し、熱中症のリスクを高めることを考えると、体調管理やウェルビーイングの観点からも在宅勤務は有効となるだろう。生産現場や店舗などの通勤が求められる業界や職種では、従業員が快適な環境で働けているのか今いちど確認する必要がありそうだ。

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