株式会社KADOKAWAは2024年5月29日、同社が2022年より導入している従業員の資格取得支援に関する制度を改定し、対象資格の拡大と支援金の増額を行なったと発表した。同支援制度は、従業員の主体的な学び、および自律的キャリア形成支援を強化するために同社がかねてより実施しているもので、今回の制度改定により、対象資格が「139種」に拡大、支援金の上限が「1,000万円」となる。
従業員の“主体的な学び”と“キャリア自律”を後押し。KADOKAWAが資格取得支援制度を拡充し、「最大1,000万円」の支援に

従業員の「自律的なキャリア形成」支援に向けた制度拡充

KADOKAWAグループでは、「世界の才能と、感動をつなぐ、クリエイティブプラットフォーマーへ」をコーポレートミッションに、多彩なポートフォリオから成るIP(Intellectual Property)を安定的に創出し、世界に広く展開することを中核とした「グローバル・メディアミックス with Technology」の推進を基本戦略として掲げている。この戦略推進にあたって同グループは、IPの創出およびその価値最大化を実現する基盤が、「多種多様な分野に精通した強い人材集団=社員」であるとの考えを持っているという。

こうした考えに基づいて同グループは、従業員一人ひとりが業務内容やライフスタイルに応じて働く場所・時間を選択できる仕組みにするなど、あらゆる人事制度の整備・拡充を行ってきている。従業員のMOTIVATIONを向上させ、自律的な能力発揮ができる環境づくりをするため、FA型の異動制度や兼務、部署をまたいだプロジェクトや副業なども推奨・奨励しているとのことだ。

今回拡充する資格取得支援制度は、こうした取り組みの一環であるという。同社は、グローバル人材やデジタル人材の育成も含め、従業員の自律的なキャリア形成支援に向け、本制度拡充に至ったとしている。

資格取得支援制度の改定点は、以下の通り。

【主な改定点】
●対象資格数を139種へ拡大(導入時は116種)

●支援金額の上限を100万円から1,000万円へ増額。一部資格は1,000万円以上もあり
└【具体例】
 ・弁護士、弁理士、税理士、公認会計士:1,000万円
 ・国内MBA:500万円
 ・海外MBA:1,000万円以上

●その他の改定点:
・語学関連の資格種類を初級~特級まで、段階により支援金額を増額

・情報処理関連資格の支援金額を増額

・対象:KADOKAWA正社員、契約社員、特務社員、嘱託社員、継続雇用契約社員

・施策内容:
└現在の業務にかかわらず、対象資格を取得した社員に対し、資格の難易度に応じて
└合格時に各3万~1,000万円を支給(一部1,000万円以上の資格あり)

・主な対象資格:語学、情報処理・デザイン系、経営、法務、会計など


なお、今回の制度改定について、株式会社KADOKAWA・CEOの夏野氏は下記のようにコメントしている。

KADOKAWAグループはユニークなコンテンツを継続的に生み出し、その価値を最大限に活かすことのできるクリエイティブな企業であり、今後そのクオリティをさらに高めていきたいと考えています。そのためには、それらの価値の創出基盤である社員のクリエイティビティとモチベーションがより一層向上することを重要視しており、社員の潜在的な能力を引き出すための新しい試みを常に行っています。

クリエイティブな発想を生み出すために、社員が積みたいスキル・能力・キャリアの方向性を積極的に支援しモチベーションを高めるという考えから、2022年より資格取得支援の制度を導入しており、今回さらにアップグレードしました。海外MBAなど支援金額が高額な資格は、取得までの難易度がかなり高いと想像されますが、資格取得までの過程において本気で努力しやり遂げた成功経験を様々な場面で活かしてほしい、という期待も込めています。

本制度、および多様な支援制度を利用して社員が自分のキャリアを積極的に描き、より一層クリエイティブに仕事に取り組んでくれることを願っています。
人的資本経営が注目される中、従業員一人ひとりが個々に成長し、能力・スキルを高めていくことが、業績向上や生産性向上のカギとなる。従業員の主体的な学習や自律的キャリア形成の促進に向け、こうした取り組みを参考に、自社における人材投資施策を検討してみてはいかがだろうか。

この記事にリアクションをお願いします!