株式会社タバネルは2024年5月13日、「退職代行サービスについての意識調査」の結果を発表した。調査期間は2024年5月9日~10日で、全国の会社員490名から回答を得ている。調査結果から、「退職代行サービス」に関する年代別の認知度や利用経験、サービスの利用に関する賛否などが明らかになった。
使われたら遅い「退職代行サービス」、20~30代の利用経験は意外にも多く…年代別の賛否や認知度とは?

「退職代行サービス」の認知度は8割超。詳細認知もおよそ半数に。

2024年卒の新卒が入社しておよそ2ヵ月。本来はフレッシュな新入社員の仲間入りによって社内が活気づく頃だが、近年、この時期に話題となるのが「退職代行」だ。今年度も退職代行サービスの利用事例が散見されるが、企業で働く会社員はどのように考えているのだろうか。

はじめにタバネルは、調査対象者に対し「退職代行サービスを知っているか」と尋ねた。すると、「過去に自分で利用したことがある」が3.7%、「自分は利用したことはないが、職場に利用した人がいる」が12.9%、「自分、職場に利用した人はいないが、内容は知っている」が33.3%となり、内容まで詳細に認知している人は49.9%とおよそ半数に達した。他方で、「内容は分からないが、名前は聞いたことがある」は31.6%となり、詳細に認知している人と合わせて、「知っている」とした人は合計で81.5%と8割を超えた。一方、「知らない、わからない」は18.6%だった。
退職代行サービスの認知度、利用経験

「退職代行サービス」の利用経験は20~30代で目立つ結果に

次に同社は、前質問について、年代別に利用経験・認知を比較して分析している。“利用経験”は、20代が6.5%、30代が9.8%、40代が0.7%、50代が0%と、特に20~30代の利用率が高く、40~50代の利用はごく少数であることがわかった。

また“詳細認知度”については、20代が65.6%、30代が58.9%、40代が46.6%、50代が35.5%となった。認知度においても、利用経験と同様に特に若年層の値が高く示された。
退職代行サービスの認知度、利用経験(年代別)

“退職代行サービスの利用”に対する賛否は?

続いて同社は、「退職の際は退職代行サービスを使わずに、本人が勤務先に退職の意向を伝えるべきか」と、回答者自身の考えを尋ねた。すると、「そう思う」が計45.5%(そう思う:22.9%、ややそう思う:22.7%の合計)であったのに対し、「そう思わない」は21.2%(あまりそう思わない:11.8%、そう思わない:9.4%の合計)となり、“退職代行サービスを利用して退職すること”に対して否定的な人が多数であることがわかった。
退職代行サービスの利用に対する賛否
前質問の回答について、年代別に比較してみると、「そう思う」(「そう思う」、「ややそう思う」の合計)は、20代で48.4%、30代で48.2%、40代で43.2%、50代で43.9%となった。年代による大きな差はなく、40~50%ほどの人が退職代行サービスの利用に否定的であるようだ。

また、「そう思わない」(「あまりそう思わない」、「そう思わない」の合計)との回答は、20代で21.6%、30代で19.6%、40代で18.5%、50代で21.2%と、こちらも年代による差異は大きくなかった。年代によらず、約2割ほどの人は退職代行サービスに否定的でないことがわかった。
退職代行サービスの利用に対する賛否(年代別)
本調査から、話題の「退職代行サービス」に関する利用割合・認知割合は、若い年代ほど高い傾向にあることが示された。また、“退職代行サービスの利用”については、年代を問わず約半数の人が否定的な意見を持つ一方、否定的でない人も2割程度いることがわかった。新入社員の早期離職防止を図りたい企業では、「退職代行サービス」の認知度が高まってきた現状を受け止め、自社の新入社員がこうしたサービスを利用しないよう、リテンションに励みたい。

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