【健康経営優良法人2024】認定企業は大規模法人部門2,988法人・中小規模法人部門1万6,733法人に
経産省では、健康長寿社会の実現に向けた取り組みの一つとして、従業員等の健康管理を経営的な視点で考え、健康の保持・増進につながる取り組みを戦略的に実践する「健康経営」を推進している。その一環として、今回で第8回となる「健康経営優良法人2024」では、日本健康会議(国民一人ひとりの健康寿命延伸と適正な医療について民間組織が連携し、行政の全面的な支援のもと実効的な活動を行うために組織された活動体)により、大規模法人部門に2,988法人(上位法人には「ホワイト500」の冠を付加)、中小規模法人部門に16,733法人(上位法人には「ブライト500」の冠を付加)が認定された。「健康経営優良法人2024」の認定数は、昨年度(2023年度)の「健康経営優良法人2023」の認定数(大規模法人部門:2,676法人、中小規模法人部門:14,012法人)と比較すると両部門とも大幅な増加となり、健康経営に取り組む企業が増えたことがわかった。健康経営優良法人制度の概要は以下の通りだ。
●健康経営優良法人認定制度とは
特に優良な健康経営を実践している大企業や中小企業等の法人を「見える化」することで、従業員や求職者、関係企業や金融機関などから評価を受けることができる環境を整備することを目的に、2016年度に経済産業省が創設した制度である。健康・医療新産業協議会健康投資ワーキンググループ(日本健康会議健康経営・健康宣言10万社WG合同開催)において定められた評価基準に基づき、日本健康会議が「健康経営優良法人」を認定する。
●「令和5(2023)年度健康経営度調査」に基づく2,466法人分の評価結果の公開について
健康経営優良法人(大規模法人部門)認定の基となる健康経営度調査の回答法人に対しては、各施策の偏差値等を記載した評価結果(フィードバックシート)を個別に送付し、自社の取り組みの改善に活用されている。他社との比較を通じた更なる取り組みの促進やステークホルダーに対する情報開示を促す観点から、同調査の設問において「評価結果の開示」の可否を確認している。開示に同意した2,466法人分(うち上場企業783社)の個別の評価結果(フィードバックシート)の公開に加えて、編集可能な一覧性のあるExcel形式データも公開している。
なお、「認定法人」および「2,466法人分の評価結果(フィードバックシート)」については、下記の「健康経営優良法人認定事務局ポータルサイト」から確認できる。
【健康経営銘柄2024】27業種から53社を選定
また同省は、「健康経営優良法人2024」の認定法人の決定と同時に、「健康経営銘柄2024」に53社を選定したと公表した。「健康経営銘柄」とは、経済産業省と東京証券取引所が共同で、従業員等の健康管理を経営的な視点で考え戦略的に取り組む上場企業を選定する制度である。長期的な視点から企業価値の向上を重視する投資家に対し魅力ある企業として紹介することを通じ、企業による健康経営の取り組みを促進することを目的としている。第10回となる「健康経営銘柄2024」では、27業種から53社を選定した。「健康経営銘柄2024」の概要は以下の通り。
●健康経営銘柄2024の選定について
「令和5年度健康経営度調査」の回答結果をもとに、健康経営優良法人(大規模法人部門)申請法人の上位500位以内の上場企業から、1業種1社を基本(選定基準を加味した上で、各業種の最高順位の企業の平均より優れている企業についても健康経営銘柄とする)に選定した。
●主な選定基準
1.重大な法令違反等がない
2.健康経営優良法人(大規模法人部門)申請法人の上位500位以内である
3.ROE(自己資本利益率)の直近3年間平均が0%以上または直近3年連続で下降していない企業を対象とし、ROEが高い企業には一定の加点を行う
4.前年度回答有無、社外への情報開示の状況についても評価し、一定の加点を行う
「健康経営銘柄2024」選定企業(27業種53社、業種順)の一覧については、以下より確認が可能だ。