HRプロの人事トレンドニュースでは今月、経済産業省による「賃上げ促進税制」の強化のほか、「25卒生の内々定獲得状況」や「新人研修の満足度」、「副業」、「未経験転職」の調査結果といったニュースをお伝えしてきました。2月5日(月)~9日(金)のHR関連ニュースを以下でご覧ください。
【HRニュースまとめ】2月5日~9日|【新人研修】満足度が高いカリキュラムは「OJT」。新人育成に最適な内容とは? ほか

「賃上げ促進税制の強化」を経産省が公表。最大税額控除率の引き上げへ

経産省は2024年1月25日、構造的・持続的な賃上げの実現を目指し、「賃上げ促進税制」を強化すると発表した。同制度により企業が賃上げを実施した場合に、賃上げ額の一部を法人税などから税額控除が可能となる。

今回改正された税制は、2024年4月1日~2027年3月31日までの間に開始する各事業年度が適用対象だ。改正により最大税額控除率が、大企業・中堅企業は35%、中小企業は45%にアップする。

また、主な改正点は、(1)大企業に向けさらに高い賃上げ率の要件を創設、(2)中小企業に向け5年間の繰越控除措置を創設、(3)中堅企業向けの新たな賃上げ促進税制枠を創設、(4)雇用の「質」を上げるべく、教育訓練費に対する上乗せ措置の要件緩和、子育てとの両立支援や女性活躍支援に対する上乗せ措置の創設、(5)3年間の措置期間を設ける、の5つだ。

これにより経産省は、企業が得た収益を従業員に還元するための賃上げを促進させ、「成長と分配の好循環」を実現したいという。なお、詳細な制度内容については2024年5月頃を目処に公表するとのことだ。

【25卒採用】「内々定率」は23年11月末時点で1割超。早期化に伴い夏季インターン等は要見直しか

【25卒採用】「内々定率」は23年11月末時点で1割超。早期化に伴い夏季インターン等は要見直しか
株式会社学情は、「就職活動に関するインターネットアンケート」の中から、「内々定の獲得状況」に関する調査結果を発表した。まず25卒生386名を対象に、「2023年11月末時点で、内定(内々定)を獲得しているか」を尋ねた。すると、「はい」との回答は1割にのぼり、同時期の調査において初の2桁超えだったという。前年同時期の調査と比較しても内定(内々定)の獲得率は3.1ポイント上昇しており、早期化が一気に加速したことがうかがえる。

また、「調査時点までに“10社以上”インターンシップやオープン・カンパニーに参加した学生」は4割となり、前年同時期よりも増加していることから、学生自体の就職活動も早期化していることがわかる。

そこで、「インターンシップやオープン・カンパニーに最初に参加した時期」を尋ねると、「2023年8月」が最多となり、以下、同年の「7月」、「6月」と続いた。2023年6月~8月の夏季に参加した学生は合計63%と6割にのぼることから、企業では夏季のインターンシップやオープン・カンパニーで採用を見据えた内容が必要といえそうだ。

【新人研修】満足度が高いカリキュラムは「OJT」。新人育成に最適な内容とは?

【新人研修】満足度が高いカリキュラムは「OJT」。新人育成に最適な内容とは?
株式会社Synergy Careerは、「新人研修の満足度に関するアンケート調査」の結果を発表した。同社の公式LINE登録者106名を対象として実施された本調査では、はじめに「新人研修で行われたカリキュラムの種類」を尋ねた。その結果、「グループワーク」が最も多く、8割を超えたという。以下、「講義形式」、「ビジネスマナー研修」が続き、ともに半数を超えたとのことだ。

続いて、「新人研修で満足度の高い(役立ったと感じる)カリキュラム」を尋ねたところ、最も多かったのは「OJT」(80.4%)だった。以下、「ロールプレイ」(65.8%)、「ケーススタディ」(60%)が続いた。実施割合の多かった「講義形式」や「グループワーク」より、実践型のカリキュラムの方が上位を占めることが明らかとなった。

また、「カリキュラム内容で満足している点」を尋ねると、「同期との仲を深められた」、「研修が実際の仕事に役立つカリキュラムだった」がともに多数を集めたという。

“副業禁止”は古い? 過去最多の5割超が「副業意向」を示す。本業の満足度にも影響か

“副業禁止”は古い? 過去最多の5割超が「副業意向」を示す。本業の満足度にも影響か
パーソルイノベーション株式会社は、「副業に関する定点調査(2023秋)」の結果を発表した。まずは20~40代の会社員656名を対象として、「今季半年間での副業意向」を尋ね、2022年~2023年22月までの推移をまとめた。すると、「副業を実施するつもりだ」とした人は2023年11月では51.7%で、2022年5月の調査開始以降最も高い数値となった。

そこで、「現在の会社の人事考課への満足度と、副業実施の有無」を比較すると、人事考課に「満足している」場合の副業実施率は8割を超えた。また、「給与待遇(現年収)の満足度と、副業実施の有無」を比較したところ、給与待遇に「満足している」場合の副業実施率も8割におよんだという。

さらに、「現在の会社での人事考課/給与待遇の満足度」と「副業理由」の関係性を調査した。その結果、「周囲から誘われた」との理由では、満足度が高いほど回答率も高くなることがわかった。また、「現職でやりたいことができない」との回答は、いずれも「満足している」とした人の割合が他の満足度より回答率が高くなっていることも明らかとなった。

転職者の半数以上が「未経験転職」。新たな業種・職種でも満足度は高く

転職者の半数以上が「未経験転職」。新たな業種・職種でも満足度は高く
Indeed Japanは、「未経験転職に関する調査」の結果を発表した。25~49歳の正規雇用である転職経験者(現在就業中の正社員・会社経営者・会社役員・公務員・団体職員)の男女計8,399名を対象に行った本調査では、はじめに「前職と業種も職種も同じ転職をしたことがあるか、もしくは前職と業種や職種のいずれか、またはその両方が異なる転職(未経験転職)をしたことがあるか」を尋ねた。すると、「未経験転職の経験あり」とした人は54.3%と、半数を超えることがわかった。

そこで、「未経験転職」をしたことがあるとした人を対象に、転職した理由を尋ねた。その結果、「給料を上げるため」、「現状の業種・職種に不満があった」が上位となり、現状からの改善を求める声が聞かれたという。

また、「初めて未経験転職をした年代」と「未経験転職をしてよかった」との回答を調査したところ、「よかった」との回答は、年代に関わらずほぼ同じ割合だった。35歳以上で初めての未経験転職をした人は全体の7.8%と、年齢を重ねてから未経験転職する人は少ない傾向にあるものの、未経験転職の満足度は年齢に関わらず高いことが示される結果となった。

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