「従業員の健康保持・増進への社内意識向上」の実感には認定/非認定企業で差
政府が発表している「骨太の方針」において「国民皆歯科健診」の取り組み推進が検討されるなど、歯科健診の重要性は高まっている。優良な健康経営を実践する法人と認定された「健康経営優良法人」と非認定企業では、歯科健診への意識に違いがあるのだろうか。はじめにサンスターは、「『健康投資管理会計ガイドライン』が発表された2020年と比べ、従業員の健康保持・増進に向けた社内意識は向上したか」を尋ねた。すると、健康経営優良法人では87.5%(とてもそう思う:47%、ややそう思う:40.5%の計)が、「従業員の健康保持・増進に向けた社内の意識が向上した」と感じていることがわかった。
一方、非認定企業では、同回答が61%(とてもそう思う:9.5%、ややそう思う:51.5%の計)にとどまり、健康優良法人とは26.5ポイントの差が開いた。
“口の健康が全身におよぼす影響”の認知度は認定企業で9割、非認定企業で7割程度に
続いて同グループは「口の健康が全身の健康に影響することを知っているか」を聞いた。すると、「知っている」との回答は健康経営優良法人で90%、非認定企業では75%だった。認定企業と非認定企業では15ポイントの差があるものの、非認定企業でも7割以上が“口の健康が全身の健康に影響すること”を認識しているとわかった。健康経営の重点施策トップ3に「オーラルケア関連施策」はランクインせず
次に同グループは、“口の健康が全身の健康へ影響することを知っている”とした健康経営優良法人を対象に、「勤務先で健康経営において重点を置いている施策は何か」を尋ねた(最大3つまで回答)。すると、重点を置いている施策の1位は「ストレス管理プログラムの実施」、2位は「メンタルヘルス支援」、3位は「生活習慣改善施策の実施」だった。オーラルケア関連施策の順位は低く、口の健康が全身の健康に影響することを知っている健康経営優良法人でも、オーラルケアは健康経営における重点項目と認識されていないことがわかった。健康経営優良法人でも「歯科健診」の実施割合は3割未満にとどまる
最後に同グループは、健康経営優良法人に対し、「勤務先で健康経営のために実施している施策」を尋ねた。その結果、オーラルケア関連施策の実施率は「歯科健診の実施」が29.5%、「オーラルケア施策の実施」が21.5%、「オーラルケアのための環境整備」が17.5%、「歯科健診の推奨(助成金サポート)」が15.5%だった。健康経営優良法人であっても、オーラルケア関連施策の実施率はいずれも3割以下と低いことがわかった。また、“口の健康が全身の健康に影響することを知っている”とした担当者に限定しても、会社の健康診断で歯科健診を実施しているのは、健康経営優良法人で約3割、非認定企業では1割未満であったという。人事・総務担当者の意識とオーラルケア関連施策の実施状況には、乖離があると推察できる。