現在のチームメンバーは反論もできる「協働者」が最多
リーダーとして部署やチームを率いる社員の中には、チームメンバーの仕事に対する思いや適性・タイプがわからないといった悩みを抱える人もいると考えられる。では、実際に企業でリーダー職に就く人から見えているチームの実態はどうなのだろうか。はじめにリ・カレントは、部下の理解度を調査するべく、メンバータイプを以下の4属性に分けた。
チームの成果のためにアイディアを出し、上司の指示を前向きに受け入れる
チームのために上司にも反論をする
●従属者タイプ
上司の指示に素直に従い、自分の考えは表に出さない
●破壊者タイプ
上司や部署方針に対して意見するものの、チームに貢献するような行動は起こさない
●逃避者タイプ
チームへの関わりが薄く、提言も貢献行動も見られない
上記の4属性のうち、「現在のチームメンバーに最も多いタイプはどれか」を尋ねたところ、「協働者タイプ」が37.1%で最も多かった。以下、「逃避者タイプ」が22%、「従属者タイプ」が19.5%、「破壊者タイプ」が19%と続いた。ネガティブな属性である「逃避者・破壊者タイプ」の合計は、4割を超えることが明らかとなった。
6割の企業がリーダー職のフォロー制度として「上司との面談」を実施
次に同社が、「勤務先には、チーム運営のためにリーダー職に向けたフォロー制度はあるか」を尋ねたところ、「ある」は約半数、「ない」は3割超、「知らない」は2割未満だったという。そこで、「フォロー制度がある」としたリーダーを対象に、「自社に最も近いフォロー制度」を尋ねたところ、「上司との面談」(60.1%)が最も多く、以下、「外部研修」(27.8%)、「人事担当者との面談」(9.2%)が続いた。
対して、「リーダー職へのフォロー制度がない」としたリーダーを対象に、「自社にどのようなフォロー制度の導入や実施などを求めるか」を尋ねたところ、「特にいらない」が最も多く、半数を超えた。その他、「外部研修を導入してほしい」(21.7%)、「上司と面談をしてほしい」(14.2%)、「人事担当者と面談をしてほしい」(9%)があがった。
フォロー制度のない企業では、「フォロー制度はいらない」というリーダーが多いものの、4割以上は導入を希望していることが判明した。
リーダーの役割は「組織の成果達成」。メンバーには「個人の成果達成」も求める
続いて同社は、「リーダー職である自身の役割」を尋ねた。その結果、「組織(チーム)の成果達成」(50.5%)が最も多く、以下、「組織(チーム)の人材育成」(39.1%)、「部下(個人)の人材育成」(32.5%)が上位を占めた。この結果から同社は、「組織の成果達成や人材育成はリーダー職の役割として大切な要素の1つ。個々人の能力を把握するのはもちろん、伸ばすべき・改善すべきポイントを作るのもリーダーとして行わなければならないのでは」とコメントしている。また、「チームメンバーに求める役割」を尋ねたところ、最も多かったのは「組織(チーム)の成果達成」(45.2%)だった。以下、「自身(個人)の成果達成」(39.5%)、「組織(チーム)の活力向上」(34.4%)が続いた。
“リーダーである自身の役割”と“チームメンバーに求める役割”は、いずれも「組織の成果達成」が1位となったが、チームメンバーに求める役割の2位には「自身の成果達成」があがり、リーダーはメンバーに対して個人の成長も求めていることがわかった。これを受け同社は、「組織が成長するためには個人の成長が不可欠なため、それらを意識したフォローも必須だ」との見解を示している。
“リーダー/チームメンバーの役割達成”に関する評価は「60~79点」が4割付近で最多に
最後に同社は、「リーダーとしての役割を達成できているか、自己評価をつけるとしたらどのくらいか」を尋ねた。すると、「60~79点」(38.7%)が最も多く、以下、「40~59点」(24.4%)、「80~99点」(16.4%)と続いた。自己評価を「80点以上」としたリーダーは2割程度であることが明らかとなった。加えて、「部下はチームメンバーとしての役割をどれくらい達成できているか」を尋ねたところ、こちらも「60~79点」(36.8%)が最も多かった。以下、「40~59点」(26.1%)、「80~99点」(19.1%)と続いた。リーダーの自己評価と同様に、部下への評価も「80点以上」は2割程度にとどまった。