10月調査時点での「インターンシップ参加率」は9割に迫る
2022年6月に、文部科学省、厚生労働省、経済産業省の三省合意によりインターンシップの定義改正が行われ、インターンシップ参加時の学生情報が採用選考に利用できることとなった。インターンシップの在り方が大きく変化した25卒の就職活動において、学生たちのインターンシップや就職活動準備はどのような状況なのだろうか。はじめにマイナビは、「10月(調査)時点でのインターンシップ・仕事体験の参加状況」を尋ねた。すると、「インターンシップ・仕事体験に参加経験あり」との回答は、前年比1.9ポイント増の89.5%で、調査を開始した2015年(17卒生対象)以降、最も高い割合だった。平均参加社数についても前年比0.3社増の6社となり、インターンシップ・仕事体験に学生が積極的に参加していることがわかった。これを踏まえて同社は、「インターンシップの定義改正が行われるなど、学生の関心が高まったことも背景にある」と推察している。
“インターンシップの選考”を「受けたことがある」学生は7割弱に
次に、同社が「インターンシップ・仕事体験の選考(エントリーシートや面接)を受けたか」を聞いたところ、「受けたことがあり、1回以上は選考に落ちたことがある」が57.4%で最も多かった。「受けたことがあり、すべて通過した」(10.8%)と合わせると、全体の68.2%がインターンシップ選考受験の経験者であり、過去数年の就活生と比べて25卒生はインターンシップ選考に参加する割合が高まっているとわかった。そこで、「参加したインターンシップ・仕事体験の募集形態」について尋ねたところ、最多が「先着順で参加できるもの」、次いで「選考通過者が参加できるもの」で、前年より増加していたという。同社は、「特に就業体験を伴うプログラムは、受け入れ人数が限られるため、選考を設けるケースが増えているのだろう」との見解を示している。
参加したいインターンシップの特徴は「複数日程の中から参加日を選べる」がトップ
続いて同社は、「今後参加したいインターンシップ・仕事体験の特徴」を尋ねた。その結果、「複数日程の中から参加日を選べる」が53.5%と最多で、以下、「対面形式で開催される」(51.6%)、「採用選考で有利になる」(50.6%)と続いた。また、「インターンシップ・仕事体験への参加にあたって困っていること」を聞いたところ、「参加する時間の余裕がない」が最も多く、半数を超えたとのことだ。学業や課外活動などもある中での参加となるため、複数日程の中から参加日を選べることは、参加意欲を高める大きな要因となりそうだ。
「キャリア形成支援活動への参加」は、低学年時は「不参加」が7割近くに及ぶ
最後に、同社が「低学年時(大学1・2年生)と大学3年生以降におけるキャリア形成支援活動への参加状況」を尋ねたところ、「大学3年生以降での経験」(65.8%)との回答が最も多かった。一方、低学年時においては「参加していない」(67.1%)が最多だった。2022年6月改正の三省合意においては、キャリア形成支援活動として、学生自身のキャリア観・職業観の醸成度合いや参加目的によって選択可能なプログラムを用意することが推奨されている。しかし、25卒生自身が低学年のタイミングでは、こうした改正対応は行われておらず、低学年時の準備が十分でなかった可能性があると考えられる。