ライフスタイルに応じた仕事と家庭の両立支援を図り、取り組み強化へ
SMBCグループは、顧客およびステークホルダーとともに発展し、持続可能な社会の実現に貢献することを目的に、「Diversity,Equity&Inclusion」を「成長戦略そのもの」と位置づけ、グループ全体で推進している。また同グループは、さまざまな視点を持つ革新的な組織となるよう、人種/国籍/年齢/性別/性的指向・性自認/宗教/信条/文化/障がい/キャリア/ライフスタイルなどにこだわらず、多様なバックグラウンドをもつ従業員が互いに尊重し合うことを目指してきた。さらに、能力や個性を発揮して活躍できるよう、個々の状況に応じた公正な機会やリソースの提供も行ってきたという。
そこで今回、新たな取り組みとして、男性育児休業の取得に関する「目指す姿」を設定した。共働き世代が増加する現代において、従業員が性別を問わず、ライフスタイルに応じて仕事と家庭の両立をできるよう支援する考えだ。あわせて、働きがいを持って生き生きと働ける環境づくりをより加速させたいとしている。
同グループは「目指す姿」として、全男性従業員を対象に以下2つを設定した。
(2)男性育児休業日数/期間:平均30日以上取得(子の出生後2歳になるまでの期間)
なお、株式会社三井住友銀行や株式会社SMBC信託銀行など、主要グループ各社の2022年度の男性育児休業取得率は89%だったという。
「目指す姿」に向けた取り組みとして“定期的な利用推奨”や“研修”を実施
同グループでは先述の「目指す姿」に向け、育児休業制度などの定期的な利用推奨やトップメッセージの発信、本人向け・マネジメント向けの男性の育児参画に関する研修コンテンツの充実、パートナーと参加するワークショップの開催などを実施していくとのことだ。これにより、従業員の意識改革や、育児休業を取得しやすい環境づくりに継続して取り組んでいくとしている。また、主要グループ各社のメンバーで男性育児参画ワーキンググループを組成し、施策立案をはじめとした討論の実施により、グループ全体で取り組みを加速させていく考えだ。加えて、同グループは今年度、積水ハウスグループが取り組んでいる「育休を考える日(9月19日)プロジェクト」に賛同しているという。これにより、同プロジェクトが掲げる「日本でも男性の育児休業取得が当たり前になる社会」の実現にも貢献していきたいとのことだ。
育児・介護休業法の改正により、2023年4月から男性労働者の育児休業等の取得状況を年に一度公表することが義務付けられた。また、厚労省では公表の対象となる範囲を、常時雇用する労働者「1,000人以上」から「300人以上」まで拡大することを検討している。男性の育児休業取得率の上昇を目指す企業では、こうした先行事例を参考に、企業やグループの取り組みを強化してみてはいかがだろうか。