不妊治療と仕事の両立の支援により働きやすい職場を目指す
厚生労働省が発表した「平成29年度不妊治療と仕事の両立に係る諸問題についての総合的調査」によると、不妊治療をしたことがある、もしくは予定している労働者のうち、両立できずに「仕事を辞めた」、「不妊治療をやめた」、「雇用形態を変えた」など、「不妊治療との両立ができなかった」とした回答者は35%で、3割を超えたという。また、両立できずに仕事もしくは治療をやめた理由を尋ねた結果では、「精神面で負担が大きいため」が最も多く、他にも「通院回数が多いため」や「体調、体力面で負担が大きいため」、「仕事との日程調整が難しいため」といった声が挙がっている。通院回数や仕事との日程調整の難しさを理由に、仕事か治療を断念せざるを得ないケースが多いようだ。不妊治療を理由にやむを得ず退職を選択する従業員がいることは、従業員のキャリア形成に支障を与えるだけでなく、企業の人材確保にも影響がおよぶ可能性があるだろう。
そこでネオキャリアは、通院回数や仕事との日程調整といった課題は企業側で改善ができるとし、新たな制度の設立に至ったとのことだ。今回新設した制度の概要は、以下の通り。
●不妊治療のための最大3ヵ月の休職制度
●休職期間は無給
●勤続1年以上の社員(性別不問)が対象
【チャイルドプラン休暇】
●不妊治療のため12日分の特別休暇を付与
●有給の特別休暇
●勤続1年以上の社員(性別不問)が対象
なお、いずれも有期社員は週所定5日以上勤務している社員(性別不問)を対象としている。
同社では、2023年の人事方針に「個が尊重され、誰もが挑戦し続けることができる会社の実現」を掲げ、これまでも子育てと仕事を両立しやすいようさまざまな施策を実施してきたという。本制度を実施することで、従業員がより働きやすい職場の実現を目指していく考えだ。あわせて、ライフステージの変化が起きても、社員が挑戦し続けられる環境整備に努め、今後も子育てと仕事の両立支援を行える各種制度を充実させていくとしている。
産前から産後、育児における制度の拡充が求められる中、こうした不妊治療に関する制度はいまだ確立されていない企業が多いだろう。人材確保や従業員の働きやすい職場を考える企業では、こうした事例を参考に、自社の不妊治療における制度の新設・改善を図ってみてはいかがだろうか。