「DX認定事業者」から選出する「DX銘柄」とは
「DX銘柄」とは、東京証券取引所に上場している企業の中から、企業価値の向上につながるDX推進のための仕組みを社内に構築し、優れたデジタル活用の実績が表れている企業を指す。目標となる企業モデルを広く波及させ、経営者の意識改革を促すとともに、幅広いステークホルダーから評価を受けることで、DXのさらなる推進を図ることを目的としている。「DX銘柄」に選定された企業は、優れた情報システムの導入やデータの利活用をするだけでなく、デジタル技術を前提としたビジネスモデルそのものの変革および経営の変革に果敢にチャレンジし続けている企業と認められる。選定されるためには、「DX認定」の取得が必要となる。
DX認定制度は、「情報処理の促進に関する法律」に基づき、「デジタルガバナンス・コード」の基本的事項に対応する企業を国が認定する制度のことだ。認定にあたっての評価項目は以下の通り。
1.ビジョン・ビジネスモデル
2.戦略
└2-1.組織づくり・人材・企業文化に関する方策
└2-2.ITシステム・デジタル技術活用環境の整備に関する方策
3.成果と重要な成果指標
4.ガバナンスシステム
これらを基に、独立行政法人情報処理推進機構(IPA)が「DX認定制度事務局」として、各種相談・問合せ対応および認定審査事務を行っている。
「DX銘柄2023」・「DX注目企業2023」・「DXプラチナ企業2023-2025」選定企業一覧
今回、経産省は企業の競争力強化に資するDXに向けた取り組みを強く後押しするため、「DX銘柄」選定企業の中から、“デジタル時代を先導する企業”として「DXグランプリ企業」を発表した。グランプリには、株式会社トプコン(精密機器)と日本郵船株式会社(海運業)の2社が選ばれた。【(1)DXグランプリ企業2023(業種順)】
【(2)DX銘柄2023(業種・証券コード順、DXグランプリ企業を除く)】
【(3)DX注目企業2023(業種・証券コード順)】
「DXプラチナ2023-2025」には、中外製薬株式会社(医薬品)や株式会社小松製作所(機械)、トラスコ中山株式会社(卸売業)の3社が選ばれた。なお、本選定は3年間の時限措置とすることから、「2023-2025」としているという。
【(4)DXプラチナ企業2023-2025(業種順)】
選出された各社の取り組みや分析レポートも併せて公開
経産省は、「DX銘柄2023」と「DX注目企業2023」、「DXプラチナ企業2023-2025」の発表に際して、それぞれに選定された各社の取り組みや「DX調査2023」の回答結果の分析レポートを公式ホームページにて公開した。同省は、選定企業のさらなる活躍を願うとともに、優れた取り組みが各企業におけるDXの取り組みの参考となることを期待しているとのことだ。
政府がDX認定事業者の中から「DX銘柄」等を選定し公表することで、先進的な取り組みの波及につながると考えられる。DXを推進したい企業では、他社の取り組みを参考にしながら、DX認定や銘柄への選定を目指してみてはいかがだろうか。