DXの成果を「実感できている」との回答は3割を下回る
産業界のDX推進に向け、政府がさまざまな施策を実施する中、企業においてもDXを推進する動きが加速しているが、DXによる成果に対する満足度はどうなのだろうか。GNUSはまず、「DXの取り組みの成果として近いもの」として、「十分に満足」、「やや満足」、「やや不足」、「明らかに不足」の4項目選択式で尋ねた。すると、「十分に満足」とする回答はわずか6%だった。また、「やや満足」(21%)との回答と合わせても、DXの効果を実感できている層は計27%と、3割を下回った。対して、「成果の大きさとして、やや不足」(36%)、「明らかに不足」(37%)との回答は計73%と、DXの効果を実感できていない層は7割にのぼった。DXの効果を実感できている層は「プロダクト・サービスや顧客体験の具体化」を重視
次に同社は、「自身がDXに取り組む上で、プロダクト・サービスや顧客体験の具体化はどれほど重要だと考えるか」と尋ねた。すると、先の質問でDXの成果に「十分に満足」と回答した人のうち58%が、プロダクト・サービスや顧客体験の具体化が「重要」と回答した。対して、DXの成果を実感しきれていない層(DXの効果を「やや満足」、「やや不足」、「明らかに不足」とした回答者)に同質問をしたところ、「重要」との回答はいずれも3割を下回り、効果を実感できている層との意識差がうかがえる結果となった。DXの効果を実感する層の7割が「ユーザー理解」で予想以上の成果を得ている
続いて同社は、「DXの取り組みとして経験した業務で、『重視すべきだと感じる点』と『その重要度』」を尋ねた。質問項目は、「ユーザー理解のための取り組みで得られたこと」、「アジャイルプロセスの採用状況」、「必要なスキルを持った人材で体制構築することの重要性」の3項目で、先の設問の「DXの成果への満足度」の結果とクロス集計している。その結果、「ユーザー理解のための取り組みで得られたこと」の項目では、DXの効果に対して「十分に満足」と回答した人のうち73%が「予想もしていなかった示唆が得られた」と回答した。また、同回答者における「アジャイルプロセスの採用状況」は、「採用」が58%、「必要なスキルを持った人材で体制構築することの重要性」は「重要」との回答が63%で、いずれも他の層より突出した。
対して、DXの効果を実感しきれていない層は、各質問項目の同回答割合が3割以下であり、DXの効果を実感できている層との差が顕著だった。