約4割が「DXの正しい定義がわからない」と答える
経済産業省の「デジタルガバナンス・コード2.0」では、DXの定義を「企業がビジネス環境の変化に対応し、デジタル技術を活用して、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務や組織・プロセス・企業風土等を変革し、競争上の優位性を確立すること」としている。では、実際に企業で働くビジネスパーソンは、DXをどの程度理解しているのだろうか。同社が、「DXの定義として、自身の考えに近いもの」を尋ねたところ、「企業がデジタル技術を活用してビジネスや組織を変革すること」が19%と、DXの定義を正しく理解している人は2割を下回っていることがわかった。最も多かった回答が「わからない」(38.8%)だったことからも、DXの定義まで正しく理解している人は少数派のようだ。
「DX実現のイメージ」は、自社でのDXの進み具合により相違
同社によると、「自社でDXに取り組んでおり、それが成功している」と回答した人は約8割だったという。次に、同社は「『企業がDXを実現した』と聞いたときに、その企業が行ったこととして自身のイメージに最も近いもの」を聞いた。この回答結果を、自社のDXに「成功している人」と「成功していない人」に分けてまとめた。すると、「成功している」としたグループでは、トップが「これまで紙で処理していた書類を電子で決済や承認ができるようにした」(54.1%)で過半数が回答。以下には、「リモートワークを実現した」が31.1%、「オンライン会議を導入した」が26.2%と続いた。
一方、「成功していない」としたグループでは、最多は「RPAを利用して定型業務を効率化した」(47.1%)だった。以下、「リモートワークを実現した」が41.2%、「全社でデータ分析ができる体制や整備を整えた」が29.4%と続いた。「自社のDXが成功している」と考えているグループでは、多くが電子化やツールの導入などDXの初期段階である項目を選択していた。それに対し、「成功していない」と考えているグループの方が、比較的DXの達成段階の取り組みに回答が集まっている傾向にあった。