パワハラ対策の「相談窓口設置」における中小企業の対応の遅れが懸念される
2022年4月から、大企業に加え中小企業においてもパワーハラスメント(以下、パワハラ)の防止および対策の実施が義務付けられたが、パワハラ防止法適用後、企業の取り組みはどのような状況なのだろうか。マイシェルパはまず、企業規模別に「パワハラの相談窓口を設けているか」を尋ねた。すると、従業員25名~100名の企業は「社内に設けている」が47.4%、「社外に設けている」が19.2%で、「設けている」の合計は66.6%となった。また、従業員101名以上の企業は「社内」が77.8%、「社外」が11.3%で、同合計が89.1%という結果だった。「相談者の情報漏えい」や「役職者・年長者・キーマンへの指導」が課題に
次に、「“社内に”パワハラ相談窓口を設けている」と回答した人に「相談窓口を設置して感じた課題」を尋ねると、「相談者の情報が社内に漏れる」が34.6%で最多だった。以下、「パワハラ行為者が役職者・年長者・キーマンで指導が難しい」が30.6%、「担当者の負担増」が28.3%、「相談者が不利益になる」が28.1%、「行為者の情報が社内に漏れる」が19.7%と続いた。一方、「“社外に”パワハラ相談窓口を設けるメリット」について尋ねると、「専門のカウンセラーに任せられる」が42.5%で最も多くなった。以下、「第三者機関のため相談しやすい」が41.6%、「役職者・年長者・キーマンにも指導してくれる」が33.7%、「担当者の負担が大幅に軽減される」が25.5%、「プライバシーが遵守される」が22.8%となった。