6割が新型コロナ流行後にリモートワークを導入。未導入企業は1割未満に
社会全体でリモートワークが普及・定着するなか、企業ではアフターコロナにおけるリモートワークをどのように捉えているのだろうか。エンワールド・ジャパンは、はじめに「リモートワークの導入状況」について質問している。その結果、全体では60%が「新型コロナウイルスの流行後に導入した」と回答、「新型コロナ流行前から導入していた」が33%で続いた。「導入していない」は6%と1割未満にとどまり、外資系・日系企業ともに同じ傾向となった。
出社率の最多は「10%以上30%未満」。外資系企業は出社率がより低い傾向に
次に、「現在の出社率」を尋ねた質問では、「0%(全社員フルリモート)」は3%と1割に満たず、最多となったのは「10%以上30%未満」で27%だった。外資系と日系企業の差を「出社率30%未満」で比べると、外資系企業が合わせて65%、日系企業は合わせて37%に。「出社率50%未満」では、外資系企業が83%、日系企業が63%となり、外資系企業の方が、出社率が低いことが判明した。リモートワークによる課題は「仕事以外のコミュニティの減少」が最多に
また、同社が「コロナ禍でのリモートワーク導入で生まれた課題」について尋ねると、全体で最も多かったのは、「仕事以外のコミュニティが減った」で62%、次いで、「社内コミュニケーション、情報共有が減り、連携が難しくなった」が55%となった。一方、最も少なかったのは「従業員の定着率が下がった」で4%に。リモートワークにおいて、「定着率」を左右する要素は小さいことが推測できる結果となった。「その他」の回答を見てみると、「社長の意向でリモートワークの回数が減らされ、従業員の不満が出た」や、「リモートとオフィス併用のハイブリッド勤務の体制を構築できていない」、「若手の指導はオフィス出勤の方がやり易い」、「会社側がリモートワークメインの勤務に未だに躊躇している」などがあがっている。
約8割の企業が「リモートワークを恒常的に継続」の意向か
「リモートワークを今後も恒常的な制度として継続するか」との質問に対しては、外資系・日系企業ともに「継続予定」との回答が約8割(外資系79%・日系83%)を占めた。緊急事態宣言の解除による出社解禁やリモートワーク疲れなど、「オフィス回帰」の動きもあるなか、アフターコロナにおいても恒常的な制度として定着していくことがうかがえる結果となった。従業員の「エンゲージメント」や「帰属意識」に課題を持つ企業は約6割に
続いて、「従業員のエンゲージメント・帰属意識に関する課題」について聞いた質問では、外資系・日系企業とも「課題を感じている」が約6割(外資系60%・日系63%)となった。エンゲージメント向上のための施策は「1on1」や「ミーティング」の機会増加など
さらに、「エンゲージメント・帰属意識を高めるために実施したこと」を尋ねると、第1位だったのは「上司と部下の1on1コミュニケーションを増やした」の39%で、全体の約4割に迫った。外資系・日系企業で差があった項目については、「チームでのルーティーンミーティングを増やした」が外資系45%・日系26%で19ポイント差、「オフィスワークとリモートワークの割合を定め、オフラインで働く機会を確保した」が外資系34%・日系15%で19ポイント差、「社長メッセージなど、経営層からの情報発信を行った・増やした」が外資系35%・日系19%で16ポイント差などとなった。