「フィードバック面談」を受けた7割以上の人が、人事評価に納得
“人事評価の結果やその根拠を説明する場”である「フィードバック面談」の有無は、人事評価への納得度に関係するのだろうか。はじめに、「フィードバック面談を実施したグループ(以下、実施群)」と、「実施していないグループ(以下、非実施群)」のそれぞれに対して、「人事評価への納得度」を尋ねた。すると、「人事評価に納得している」との回答は、「実施群」では73%、「非実施群」では56%となり、有意差が見られた。「フィードバック面談の有無」と「人事評価の納得度」には、一定の相関性があることが予測される。
「承認」と「未来に向けた対話」が評価の納得度を高める可能性も
続いて、フィードバック面談において、「評価者との間に生じた話題」について尋ね、人事評価に「納得しているグループ(以下、納得群)」と「納得していないグループ(以下、不満群)」とで、その割合を比べた。その結果、「プラス評価の根拠について詳細な説明があった」との回答については、納得群の43.5%に対して不満群は8.8%となり、差分34.7%で有意差が見られた。
他にも、「日々の仕事ぶりに対するねぎらいの言葉を伝えられた」(同54.3%/23.5%/差分30.8%)、「今後の成長課題について対話をした」(同50%/26.5%/差分23.5%)、「来期の目標設定について対話を行った」(同37%/23.5%/差分13.5%)といった、「承認」および「未来の対話」に関する項目で、有意差が認められた。
納得群には、面談が単なる「改善を求める場」ではなく、「前向きでポジティブな場」として機能していることが予測される。
「納得している」人の6割以上が、日常的なコミュニケーションの場を設けている
さらに、回答者に対して提供されている「面談以外の評価の機会」について尋ね、評価の納得度別に集計。その結果、「評価の頻度」と「人事評価の納得度」に相関性があることがわかった。特に差分が顕著だったのは「日々のコミュニケーション」で、納得群が62%だったのに対し、不満群は24%で、差分38%に。また、「1on1ミーティング」も、納得群が46%、不満群が35%で、差分11%と顕著な差が見られた。日常的な「上司と評価認識をすり合わせる機会」の有無が、評価の納得度にも関連すると予測される。
「日常評価」と「前向き面談」の両立グループでは、納得度が9割超に
最後に、「日常的な評価コミュニケーション」と「前向きな面談」の両方を実施するグループにおいて、「フィードバック内容別の“人事評価への納得度”」を集計した。すると、日常のコミュニケーションと面談において、「プラス評価の根拠について詳細な説明があった」群では、評価への納得度が100%に。そのほか、「日々の仕事ぶりに対するねぎらいの言葉を伝えられた」群では94%、「今後の成長課題について対話を行った」群では92%などとなり、ほとんどの項目で9割を超える結果となった。