デル・テクノロジーズ株式会社は2021年9月13日、「テレワークおよびニューノーマル時代の働き方に関する意識調査」の中から、「テレワーク導入状況」に関する結果を発表した。調査期間は2021年8月10日~13日で、全国の中小企業(従業員数1~99人)の経営者および、会社員1,110名から回答を得た。これにより、中小企業におけるテレワークの導入状況や、実施に関する課題などが明らかとなった。
テレワークを実施する中小企業はわずか4分の1。コミュニケーションや環境整備が課題か

約7割の中小企業がテレワークを実施していない

働き方改革や、新型コロナウイルスの影響から、急速にテレワークが普及している。そのような状況下で、中小企業ではテレワークをどの程度活用しているのだろうか。

はじめに、「テレワークの実施状況」を尋ねた。その結果、「実施している」は26.8%で、3割に届かない結果に。テレワークを実施していない企業の割合は、「いいえ」が68%、「過去に実施していたが、現在は実施していない」が5.1%となり、合計で73.1%と全体の7割以上にのぼることが判明した。
テレワークを実施する中小企業はわずか4分の1。コミュニケーションや環境整備が課題か

半数以上が、新型コロナの感染拡大をきっかけにテレワークを導入

続いて、「初めてテレワークを導入した時期」を尋ねた。すると、「2020年2月以前」からテレワークを実施していた企業は32.2%に。およそ3社に1社は、新型コロナウイルスの感染拡大以前からテレワークを実施していたことがわかる。他方、「第1回緊急事態宣言(2020年4月~)」期間中に導入した企業は53%となっていることから、この時期に一気にテレワークの導入が加速したことがうかがえる。「第2回緊急事態宣言(2021年1月~)」以降のテレワーク導入率推移は、ゆるやかな増加傾向にとどまった。
テレワークを実施する中小企業はわずか4分の1。コミュニケーションや環境整備が課題か

約7割がテレワークとオフィスワークを併用。テレワーク頻度は「週1~2回」が最多

また、テレワークを実施している回答者に対して、「テレワークの頻度」を尋ねた。すると、最も多かったのは、「週1~2回」で40.3%となり、「週3~4回」が29.2%で続いた。この結果から、約7割がテレワークとオフィスワークを併用していることが明らかとなった。一方で、「毎日」との回答は24.5%となった。
テレワークを実施する中小企業はわずか4分の1。コミュニケーションや環境整備が課題か

テレワーク実施者の半数以上は「概ね満足」。「不満」は1割未満にとどまる

さらに、「テレワークの満足度」を尋ねた。その結果、「満足」が24.5%、「やや満足」が31.9%で、合わせて56.4%に。半数以上がテレワークに概ね満足していることが判明した。一方、「不満」または「やや不満」との回答は9.7%で、1割に満たなかった。
テレワークを実施する中小企業はわずか4分の1。コミュニケーションや環境整備が課題か

課題や改善点は「コミュニケーション」が突出。「セキュリティ上のリスク」も

続いて、「テレワークの課題や改善点」を聞いた。すると、最も多かったのは、「コミュニケーションが難しい」で52%に。さらに、「従業員や部下の管理が難しい」との回答も25.5%となった。これらの結果から、物理的な距離により、対人面に課題を感じている様子が浮き彫りになった。また、「セキュリティ上のリスク」との回答は26.2%となり、「改善が必要だと考える課題」の2位にランクインした。
テレワークを実施する中小企業はわずか4分の1。コミュニケーションや環境整備が課題か

会社に求められているのは、「パソコンや周辺機器の支給」や「自宅環境整備の補助」など

最後に、「テレワークに際して会社に望むこと」を尋ねた。その結果、「ノートパソコンや周辺機器の支給」が36.8%となり、「自宅のWi-Fiやネット回線利用費、電気代などの補助」が34.1%で続いた。一方で、「会社へ望むことはない」との回答も37.8%となり、現状に満足している層も一定数いることが判明した。
テレワークを実施する中小企業はわずか4分の1。コミュニケーションや環境整備が課題か
中小企業におけるテレワークの浸透は、限定的なものにとどまることが明らかとなった。テレワークの導入には、業務内容や業種による制限がつきまとうものの、この先も社会のデジタル化が進むことを考えると、欠かせないものとなることが予測される。未対応の企業では、まずはテレワーク導入に向けた課題について、整理することから始めてみてはいかがだろうか。

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