“炭素循環社会”の実現に向け、6社が協働で実証実験を開始
パリ協定をふまえたCO2排出削減目標の達成に向け、現在日本ではCO2の分離貯留と資源化、燃料の脱炭素化など、環境イノベーションに対する企業の貢献が期待されている。また、航空業界では国際民間航空機関(ICAO)がCO2排出削減目標を定めており、効果的な削減手法である「SAFを使用した運航」に向け、その安定的な製造と供給が求められている。このような状況のなか、6社はこれまでも連携して、株式会社東芝研究開発センターが開発した、「二酸化炭素を一酸化炭素に転換するCO2電解技術」と、「一酸化炭素と水素から液体燃料を合成する技術」を組み合わせてSAFを製造する、炭素循環ビジネスモデルを検討してきたという。
今回、本取組みが環境省の委託事業に採択されることが決定。今後6社は、協働で地域インフラ等を活用して地域内でカーボンリサイクルを実現させ、「脱炭素化促進」と「地域振興」を両立させる検討を実施する。
具体的には、まず東芝エネルギーシステムズが実用規模のCO2電解装置のプロトタイプを製作し、運転実証を実施。これを基に、各社が持つ知見と技術、関連するプラント設備等を活かし、「CO2の分離回収」、「SAF製造」、「消費」という全工程の実証を想定した基本計画を作成する。また、ここから得られたデータや知見を、地域における炭素循環社会モデルに反映し、事業成立性を評価していくという。本実証実験は本年9月より開始し、2025年3月まで継続する予定だ。
持続可能な社会の実現に向けて、“新たな技術を利用した持続可能なサービス”が、より一層重要となっている。各社が連携してイノベーションを起こしていくことが、今後もさらに求められていくのではないだろうか。