5割以上が自社のDXについて「進んでいない」と感じている
現在、新型コロナウイルス感染症拡大や、経済産業省が提唱する「2025年の崖」に対する施策の影響により、DX化が促進されている。企業では、どの程度DX化が進んでいるのだろうか。はじめに、「勤務先では総合的にどの程度DXができているか」を尋ねた。すると、全体では「できている」が17.4%に対し、「できていない」は51.3%と半数を超える結果となった。
中小企業の営業・販売部門では67.6%が「DX化が進んでいない」と実感
次に、DXの進捗具合を4つの属性に分けて比較した。その結果、「できていない」は「中小企業/営業・販売部門」が67.6%、「中小企業/管理部門」が51.2%、「大企業/営業・販売部門」が46%、「大企業/管理部門」が40.4%となり、大企業よりも中小企業、管理部門よりも営業部門ができていないことがわかった。導入ツールは、「勤怠管理・Web給与明細などの労務管理」が最多
続いて、「勤務先におけるデジタルツールの導入状況」を尋ねた。すると、「勤怠管理・Web給与明細などの労務管理ツール」が62.6%と最も多い結果となった。以下、「経費精算・管理などの経理ツール」が55.5%、「予定管理・情報共有などのグループウェア・ポータル」が51.9%と続き、管理系のツールが上位3つを占めていることがわかった。導入が進まない理由は「DX人材の不足」
次に、「デジタルツール導入が進まない理由」を尋ねた。その結果、「ツール導入後の明確なビジョンを描けていないから」が15.7%、「デジタル活用に長けた人材が不足しているから」が15.5%、「どのツールが良いのかわからないから」が14.7%だった。デジタルツールへの理解や推進ができる「DX人材」の不足が、導入の大きな障害となっていることが明らかとなった。少子高齢化により労働力不足が深刻化している日本において、DX推進は急務といえるだろう。しかし、「知識や経験がないために導入ができない」ことは、根本的な目的である「人手不足解消にむけて業務効率化を図るためのDX化」を止めてしまう要因のひとつとなっていることがうかがえる。