育成の遅れを最も感じる階層は「幹部社員」。 幹部育成は今後の大きな課題に
不確実性の高い社会となり、企業経営は従来のやり方からの転換期を迎えているのかもしれない。このような状況において、経営層が感じる課題はどのような点なのだろうか。はじめに、「育成が遅れていると感じる人材の階層」について尋ねた。すると、最も多かったのは「幹部社員」で57.4%に。昨年調査時の42.7%から、14.7ポイント増加した。次いで、「中堅社員(入社5~7年)」が50.7%(昨年比-5.4%)、「若手社員(入社後2~4年)」が25.2%(昨年比-9.7%)という結果に。「中堅社員」や「若手社員」との回答は昨年の調査時点より減ったが、「幹部社員」や「役員」ではいずれも昨年を上回った。部門を動かすマネジメント層や、幹部社員の育成不足を懸念する企業が多いことがわかる。
主な採用手法は「求人媒体」と「自社サイト」。新たな採用チャネルの活用はあまり進まず
続いて、「自社で実践している・興味がある採用手法」を尋ねた。すると、「求人媒体(Web・紙面)」が54.1%で最も多く、「自社採用ページ」が47.4%と続いた。各社が積極的に採用ブランディングを実施している状況がうかがえる。一方、新たな採用手法として注目を集める「オンライン選考」(13.4%)、「リファラル(縁故)採用」(13.6%)、「ソーシャルリクルーティング」(8.5%)、「ダイレクトリクルーティング」(8.4%)などの活用は、あまり進んでいないようだ。全業種で「教育体系の見直し」、「評価制度の見直し」を重要視
また、「組織・人材(HR)に関する重要施策」を尋ねた。すると、全業種を通じ「教育体系・計画の見直し」が最も高い結果に。「評価制度の見直し」と回答した業種も多いことから、教育と連動した評価制度の再構築を検討する企業が多いと推測される。約半数がDX投資状況を「実施しているが成果が不十分」と回答
続いて、「DXに関する投資状況と成果」について尋ねた。すると、実施しているとした企業のうち、約半数にあたる48.6%が「実施しているが成果が不十分(不明)」と回答。期待値ほど成果が出ていない、もしくはDXに対する過度な期待が評価を下げている可能性が示唆された。DXに関する強化領域“首位”は「生産性を高めるためのDX」。業種ごとの差が出る結果に
最後に、「DXに関する重点テーマ」を尋ねた。すると、すべての業種において最も多かったのは「業務の生産性を高めるためのDX」に。特に、「製造業」や「サービス業」からの回答が多くなった。製造業では、生産工程における生産性向上を目的として、DXを推進していく方向がうかがえる。業種別に確認すると、サービス業は、他業種よりも「人的資源管理のDX」が多いことから、「人時生産性」に着目し、バックオフィス機能の生産性向上を主軸に置いている。住宅・建設業は「ワークスタイル変革を目的としたDX」が多く、働き方改革を主眼においた、DXを推進する狙いのようだ。
小売業では、「マーケティングのDX(MAツール・Web等)」が顕著に高く、マーケティング強化を重点としていることがうかがえる。卸売業は「デジタルを前提とした事業開発」が高く、DXによりビジネスモデルを見直していく構えであることがわかる。