新卒初任給「20万円台後半」希望の学生が増加。“初任給の高さ”で「志望度が上がる」とする25卒生は8割超に

「初任給の引き上げ・能力に応じた設定」は“企業への好感”や“モチベーション”に寄与か

昨今は優秀な人材を確保するため、新卒の初任給を引き上げる企業や、職種や能力に応じた給与制度を導入する企業が増えている。これから就職活動を行う25卒生は、「初任給」についてどのように受け止めているのだろうか。

はじめに学情は、「初任給を引き上げる企業、専門性・能力に応じて初任給を設定する企業は、志望度が上がるか」を尋ねた。すると、「志望度が上がる」は65.1％、「どちらかと言えば志望度が上がる」は27.3％で、合計92.4％と9割を超えた。

自由回答には、「初任給を引き上げる企業が増えているので、変化に対応している企業は好感が持てる」、「企業が個人の能力を評価しようとしていることがわかる」、「専門性や能力が給与に反映されるのであれば、より知識やスキルを習得するモチベーションになる」などの声が寄せられたという。

9割近くの学生が「初任給の高い企業は志望度が上がる」と回答

続いて同社は、「初任給が高い企業は志望度が上がるか」を聞いた。その結果、「志望度が上がる」が48.3％、「やや志望度が上がる」が38.3％で、合計86.6％と9割近くにおよんだ。

自由回答では、「初任給が高い企業は若手のうちからチャンスがあると思う」、「初任給の高い企業のほうが、モチベーションが高く働けそう」、「初任給によって生活の質が左右されると思う」などの声があがったとのことだ。

就職において「初任給を重視する」学生は8割以上に

さらに同社が「就職において、初任給をどの程度意識しているか」を尋ねたところ、「最優先ではないが重視している」が75.6％で最も多かった。「最も重視している」の7.8％と合わせると、初任給を「重視する」とした学生は83.4％と8割を超えることが明らかとなった。

自由回答では、「物価が上がっているので初任給は重視している」、「初任給だけでなく、その後の昇給イメージも重視している」、「能力や成果がどの程度給与に反映されるか気になる」などの声が聞かれたという。

初任給の適正額は「月収20～24万円」が最多。「20万円台後半」を望む声は増加傾向に

最後に同社は、「初任給はどの程度が適正だと思うか」を質問した。すると、「月収20～24万円」（45.6％）が最も多かった。「月収25～29万円」（38.1％）と合わせると、8割以上の学生が「月収20万円台」を適正額と考えていることが示された。

また、24年卒の学生を対象に実施した2022年度の調査結果と比較すると、「月収20～24万円」との回答は12.9ポイント減少した。一方で、「月収25～29万円」との回答は9.3ポイント増加した。初任給を引き上げる企業が増加していることや、物価が高騰していることを背景に、学生が適正だと感じる初任給の金額は上昇傾向にあると推測できる。

本調査結果から、25卒生の9割以上が、「初任給」を引き上げる企業や専門性・能力に応じて設定する企業について「志望度が上がる」と考えていることがわかった。また、初任給が高い企業について「志望度が上がる」とする学生も8割を超えることが明らかとなった。就職において初任給を重要視する声は多く、適正だと感じる初任給も年々上昇傾向にある。新卒採用を実施する企業では、この調査結果を踏まえ、初任給の設定および評価制度の見直しを検討してみてはいかがだろうか。