2023年度の「賃上げあり」は約5割。「夏のボーナス支給」も6割に迫る
物価の高騰を受け、賃上げを決める企業も目立っているが、実際に企業の賃上げやボーナス支給の実態はどうなのだろうか。はじめにライボが「2023年度に賃上げがあったか」を尋ねると、「賃上げあり」は48.9%と半数未満になっていた。「賃上げなし」は51.1%と、賃上げを行わなかった企業のほうがわずかに多かった。
また、「2023年の夏ボーナスの支給有無(予定を含む)」を尋ねたところ、「支給あり」は58.4%、「支給なし」は41.6%であった。
回答額の平均値は「賃上げ」が1.9万円、「ボーナス支給額」が79万円に
続いて同社は、「2023年度に賃上げがあった」とした人に、「上がった月収の額」を聞いた。その結果、回答結果の「平均値」は1.9万円、「中央値」は1万円、「最頻値」は1万円となった。また、先述の「夏ボーナスの支給がある」とした人を対象に、「支給額(支給予定額)」を尋ねた。その結果を集計すると、「平均」が79万円、「中央値」が60万円、「最頻値」が50万円だった。
「ボーナス満足度」は大きく二分する結果に。約8割はボーナス支給より「賃上げ」を望む
続いて同社は、今夏のボーナス支給有無にかかわらず、全体を対象に「今夏ボーナス額の納得度」を尋ねた。すると、「とても納得」(9%)、「やや納得」(15.3%)、「納得」(25.2%)の合計は49.5%だった。一方、「とても不満」(22.8%)、「やや不満」(9.9%)、「不満」(17.8%)の合計は50.5%であった。さらに、「賃上げとボーナスはどちらが嬉しいか」を尋ねると、「賃上げ」が53.6%、「どちらかといえば賃上げ」が29.1%となり、合計は82.7%だった。これに対して、「ボーナス」(9.7%)および「どちらかといえばボーナス」(7.6%)と答えた人の合計は17.3%と少数派になっていた。
同様に、「ボーナスを希望する理由」については、「トータルの年収で見るとボーナスのほうが賃上げよりも額が大きいため、断然ボーナスのほうが助かる」や「毎月の賃上げはあくまで物価高騰の対策にすぎず、ボーナスは額も大きく使い道の自由度があるから」などの声が聞かれたとのことだ。
賃上げやボーナス支給があっても、消費活動は「消極的になった」との声
最後に同社は、2023年に「賃上げがあった」、「今夏ボーナス支給があった(予定がある)」とした回答者を対象に、「物価高騰による消費活動に関する影響」を尋ねた。「賃上げがあった」とした人は、「消極的になった」が67.4%(とても消極的になった:20.1%、消極的になった:21.9%、やや消極的になった:25.4%の計)だった。また、「今夏ボーナス支給があった」とした人は、「消極的になった」が63.4%(とても消極的になった:20.2%、消極的になった:22.1%、やや消極的になった:21.1%の計)であった。この結果から、物価高騰は給与やボーナス額にかかわらず、消費意欲を失わせる原因になっていると推測できる。
自由回答では、「賃金は生活費、ボーナスは貯蓄に使うのでどちらも支給してくれないと生活に困る」や、「現在どちらももらっていないのでギリギリの生活。将来心配で仕方ない」などの声が寄せられたという。