インターンシップの新定義を「知っている」学生は3月より大幅に増加
文科省・厚労省・経産省の三省合意により、25卒生対象のインターンシップから、一定基準を満たしたインターンシップで得た学生情報を広報活動や採用選考活動で使用することが可能となった。こうした新定義のインターンシップに対し、学生たちはどのような意識を持っているのだろうか。はじめにディスコは、「インターンシップにおける定義の認知状況」を尋ねた。すると、「内容を詳しく知っている」は9.2%、「内容をある程度知っている」は38.2%で、合計47.4%と、2023年3月に同社が実施した前回調査(20.6%)よりも26.8ポイント上昇した。インターンシップが新定義となったことを、学生は徐々に認知している傾向が見て取れる。
「オープン・カンパニー」や「キャリア教育」等に参加意向の学生が9割前後と高水準に
次に同社は、キャリア形成支援を4類型に分け、「タイプ1:オープン・カンパニー」、「タイプ2:キャリア教育」、「タイプ3-1:汎用的能力活用形インターンシップ」、「タイプ3-2:専門活用形インターンシップ」、「タイプ4:高度専門型インターンシップ」と定義した上で、それぞれに対する「参加意向」を尋ねた。その結果、「タイプ1:オープン・カンパニー」は、「積極的に参加したい」(50.6%)と「ある程度は参加したい」(44.8%)の合計が95.4%と極めて高かった。また、「タイプ2:キャリア教育」は合計86.7%、「タイプ3-1:汎用型能力活用形インターンシップ」は合計88.2%と、いずれも9割に迫り、参加意欲は総じて高いことが見て取れる。
他方で、「タイプ3-2:専門活用形インターンシップ」は合計67.8%だった。同インターンシップは2週間以上の実施を定められていることから、学業や学生生活と両立できる範囲で参加したいと考える学生がいるとうかがえる。ただし、理系院生では74.3%と7割を超え、「タイプ4:高度専門型インターンシップ」(79.8%)と同程度の割合であることから、専門性の向上や自身の適性の確認をしたい理系院生は多いようだ。
「現時点で興味や意欲を持つ仕事がある」とした学生は2割と限定的に
次に同社は、「現時点(調査時点)で興味のある仕事・やりたい仕事の有無」を尋ねた。すると、全体では「具体的にある」が20.7%、「なんとなくイメージはある」が68.1%、「特にない/まだわからない」が11.1%だった。大学3年生および修士1年生の5月時点ではやりたい仕事や志望業界が不明確な学生が多いことから、同社は「これから志望を定めていくためにも、インターンシップ等のプログラムに積極的に参加したいと考えているのだろう」との見解を示している。属性別にみると、理系院生では「具体的にある」が26.6%と、他の学部生に比べてやや高い傾向にあることがわかった。
就活におけるインターンシップやセミナーは「対面中心」を望む声が多数
最後に同社は、この先のインターンシップをはじめとする就活準備や、セミナー・面接などの就職活動において、「対面とオンラインのどちらの形式で進めたいか」を尋ねた。その結果、最も多かったのは「どちらかというと対面中心がよい」(45.3%)だった。なお、理系院生では「どちらかというとオンライン中心がよい」(42.2%)が最も多かった。研究と両立させるためにも、オンライン中心の活動を希望する学生もいるようだ。また、それぞれについての理由を自由回答で求めると、「対面で現場の空気を体感したいと思う」(理系・男子)や「説明会などはオンラインが望ましいが、インターンシップは雰囲気がわかる対面がいい」(文系・男子)、「オンラインもあれば参加したい。地方に住んでおり、交通費や宿泊費などの工面が大変」(理系・女子)といった声が聞かれたという。