連携協定により出雲市を“TECH人材の集積地”へ
島根県および出雲市在住の高度ITエンジニアの育成や出雲市内の雇用創出を目的として、出雲市と日鉄ソリューションズら4社は、「高度ITエンジニア育成及び新規事業創出に関する連携協定」を締結した。本協定により、出雲市在住のITエンジニアに向け、首都圏における大規模な新規事業案件に関わる機会を創出し、実務を通じたスキル獲得を支援するという。同時に、企業からのフィードバックをもとに実案件に即したITエンジニアの育成評価サイクルを整備していくとのことだ。また本協定に基づき、地方に拠点を置くIT企業同士の連携を促進するコミュニティとして、インキュベーションラボ「GRID BOX」も設立された。同ラボは、ITエンジニアを一定の評価指標に基づいてデータベース化し、新規事業に取り組む首都圏の企業とのマッチングの支援を行うとのことだ。データベースの評価指標は、マッチングした案件における人材要件や、アサインされたエンジニアの評価をもとにアップデートされるため、活用が進むほどデータベース内の評価指標が実務に即した観点に絞られ、マッチングの精度が高まる仕組みになっているという。
地方のITエンジニアは同ラボを活用することで、地方に生活拠点を構えながら首都圏における実践的で多様多種な案件に挑戦する機会が獲得できる。また、ビジネスの現場感覚が反映された評価指標が明示されることにより、自身のスキル獲得やキャリア形成につなげることも可能になるという。
日鉄ソリューションズでは、今後も同社の「ともに未来を考え社会の新たな可能性をテクノロジーと情報で切り拓く」というパーパスのもと、島根県/出雲市の次世代を担うIT人材の育成や、雇用の活性化を通じた地方創生、およびIT社会の活性化に取り組むとのことだ。さらには、Uターン/Iターン者を含む出雲とつながりのある高度IT人材に対して、“DXによる地域課題の解決”といった活躍の場を生み出し、出雲市を“TECH人材の集積地”とすることを目指す考えだ。
本協定は、高度なスキルを持ったITエンジニアが地方にいながらスキル向上やキャリアアップを目指せる、好事例と言えるだろう。IT人材の育成や雇用拡大を目指す企業は、こうした官民連携の連携協定を参考に、人材育成や地方での雇用機会創出に取り組んでみてはいかがだろうか。