株式会社リンクアンドモチベーションは2023年3月7日、最新のチャットAI活用による組織改善機能「AI組織改善アドバイザー(β)」をリリースしたと発表した。なお、β版は一部顧客に限定して提供される。同社は今後、さらなるサービス提供範囲の拡大や、「AI×データベース」による新たな価値創出を視野に入れており、組織のエンゲージメント向上に貢献していく方針だ。
チャットAIを“エンゲージメント向上”に活用した「AI組織改善アドバイザー」をリンクアンドモチベーションが発表

AIが組織改善をアドバイスする、生産性の高いコンサルティングサービスを実現

リンクアンドモチベーションは、2000年に創業して以来、企業における組織課題・人事課題の解決に向けた支援を通じ、“組織人事コンサルティングのパイオニア”としてその技術を磨いてきたという。2016年には、延べ1万6,000社・312万人以上の国内最大規模のデータベースをもとに組織状態を診断する、従業員エンゲージメント向上クラウドサービス「モチベーションクラウド」をリリース。顧客価値の最大化や、コンサルティングにおける生産性向上に継続的に取り組んでいる。

そうした中で同社は、LLM(大規模言語モデル)等の技術発展により、構想~開発までの大幅な期間短縮や、AI活用による保有データ活用の精度向上が急激に進んでいる現代の社会状況を受け、今回の「AI組織改善アドバイザー(β)」リリースに至ったという。本機能においては、チャットAI「ChatGPT」にも搭載される、OpenAI社の「ChatGPT API」を採用し、最新のチャットAIを活用しているとのことだ。

「AI組織改善アドバイザー(β)」は、モチベーションクラウドによって診断された組織状態に応じた改善方針をリコメンドする機能だ。診断結果をもとにAIに質問をすることで、コンサルティング技術に基づいた組織改善案(アクションプラン)や、改善指標、また改善策の実行にあたっての注意点などについて、的確なアドバイスを受けることが可能だという。

なお、同社が今回リリースしたβ版では、まず一部の顧客に限定して機能を提供していくとのことだ。また、本機能については、すでに特許取得済みだとしている。

今後のサービス提供範囲拡大や、AI×データベースによる価値創出も視野に

顧客価値の最大化とコンサルティングの生産性向上に取り組むリンクアンドモチベーションは、今回のリリースに際し、今後の展望についても明らかにしている。

一つは「さらなるサービス提供範囲の拡大」だ。「AI組織改善アドバイザー」では、顧客が組織課題に関する相談することで、時間や場所にとらわれず組織改善を推進することが可能となるという。同社はこれにより、今後は国内だけでなく海外の企業への価値提供も見据え、さらに多くの企業・組織のエンゲージメント向上を支援していく意向だとしている。

そしてもう一つ、「AI×データベースによる価値創出」との展望も掲げている。同社では現在、「組織開発Division」、「個人開発Division」、「マッチングDivision」の3つのDivisionに分かれた体制で事業展開をしており、各Divisionがそれぞれ保有する独自のデータベースが、組織および個人のエンゲージメント向上に向けた重要なアセットであるとの考えを持っているという。同社は、この各Divisionが保有するデータベースにAI技術を掛け合わせることで、今後も多くの企業・組織や個人への変革の機会提供を続け、さらなる価値創出を目指していく方針だ。

2023年にチャットAI「ChatGPT」が一般公開されて以降、その利用者は全世界で急速に増加し、“AI活用”への社会的な関心もさらに高まっている。そうした中、コロナ禍を経てあらゆる企業で人手不足が優先課題となり、人材確保や離職防止のための組織改善が避けられない課題となっているだろう。今回リリースされた「AI組織改善アドバイザー」は、そうした組織改善の取り組みを推進するための一助となるかもしれない。

この記事にリアクションをお願いします!