ハラスメントについて「リモートよりも対面の方が気を使う」が約8割
新型コロナウイルス感染症の流行対策として在宅勤務が普及し、“リモハラ”というオンライン環境特有のハラスメントの発生が懸念されている。では、実際にリモハラを受けたと感じている人の割合はどの程度だろうか。はじめにライボは、調査対象者のうち「テレワーク経験がある」とした258名に、「ハラスメントに対して、対面とリモートではどちらが気をつかうか」と尋ねた。すると、「対面」が34.9%、「どちらかといえば対面」が42.2%となり、合計77.1%が「リモートよりも対面のほうが気をつかう」と感じていることがわかった。
2割以上が「リモハラ被害の経験あり」と回答。最多は「業務時間外の連絡」に
次に同社は、「リモハラを受けた経験はあるか」を尋ねた。その結果、「ある」(6.6%)と、「どちらかといえばある」(15.1%)の合計は21.7%と、2割を超えた。また、リモハラの被害経験者に「リモハラを受けた具体的な内容」を尋ねると、「業務時間外にチャットやSNSで連絡がくる」が41.1%と最も多く、次いで「Webカメラを常に繋げた状態を強要された」と「極めて頻繁に業務状況を報告させる」がいずれも25%となった。
「リモハラ加害経験」は1割未満。過度な「業務報告」や「室内・音声の詮索」が該当
続いて同社は、「リモハラをしてしまった経験はあるか」を尋ねた。すると、「ある」(1.2%)、「どちらかといえばある」(4.7%)の合計は5.9%だった。一方で、「ない」(77.1%)、「どちらかといえばない」(17%)の合計は94.1%となり、加害経験よりも先述の被害経験に関する回答の方が1割以上多くなっていた。加害意識がなくても、気づかないうちに加害行為をしてしまっている可能性があると考えられる。そこで、リモハラの加害経験があるとした人に「リモハラになったと思う具体的な内容」を尋ねた。その結果、「業務内容の報告を過度に求める」と「Webカメラに写った室内の様子や音声への過度な詮索」がともに40%で首位だった。以下、「Webカメラを常に繋げた状態を強要する」が20%で続いた。
リモハラ防止対策は「ない」、「有無を知らない」が8割超
次に同社は、全体に対し「職場にリモハラの防止対策はあるか」を尋ねた。すると、「ある」は14.2%にとどまり、「ない」は34.8%だった。また、「有無を知らない」は51%と半数を超えた。さらに、「職場でのリモハラ防止対策の満足度」を尋ねたところ、「満足」は28.5%と3割に満たなかった。これに対し、「不満足」は71.5%と、7割以上が自社のリモハラ防止対策に不満を抱えている結果となった。自由回答には、「本人の受け取り方が関係するので、リモートだと相手の感情が見えにくく対策が難しい」や「コロナ禍でテレワークは普及したが、リモート時のハラスメント対策は手薄な気がする」などの声があがったという。
6割以上は「リモハラ」について曖昧な理解にとどまっている実態
最後に同社が、テレワーク経験のある258名を対象に、「リモハラに当たる内容の把握度」を尋ねると、「正しく把握している」は15.5%にとどまった。「把握しているつもりだが正しいかは曖昧」(39.1%)と、「なんとなく把握している」(22.9%)の合計は62%と、約6割が曖昧な形で把握している実態が判明した。また、同回答を役職別に見てみると、「正しく把握している」が最多だったのは「課長レベル」(28.6%)だった。他方で、「全く把握していない」の最多は「部長クラス」(36.4%)だった。