「ハラスメントを受けた経験あり」は6割以上。直近1年以内の経験も5割にのぼる
2020年6月より大企業を対象にパワーハラスメント防止措置が施行され、2022年4月からは全企業に義務化されたが、企業でのハラスメント発生状況はどのようになっているのだろうか。はじめにライボは、「過去に職場でハラスメントを感じた経験はあるか」を尋ねたところ、「経験あり」は65.8%と6割にのぼった。また、「経験あり」との回答者に「直近1年間でハラスメントを感じた経験」を尋ねたところ、51.9%が「経験あり」と回答した。半数以上が直近1年間にハラスメントを経験していることが明らかとなった。
ハラスメントを受けた経験に男女差はなく、年代では「40代」が最多に
さらに、「ハラスメントを感じた経験がある」との回答者を男女別で見ると、「男性」は66.8%、「女性」は63.2%で、大きく差は見られなかった。また、年代別で見たところ、「40代」は85.7%と最も多く、以下、「30代」が83.5%、「50代」が75.7%と続いた。「20代」は37.3%と最も少ない結果となった。「月に数日」以上の頻度でハラスメントを受けている人が約半数に
次に同社は、「ハラスメントを感じた経験がある」との回答者に、「ハラスメント被害の頻度」を尋ねた。すると、「年に数日」が51.1%と最も多かった。他方で、「ほぼ毎日」(10.7%)、「週に数日」(18.5%)、「月に数日」(19.7%)の合計は48.9%と、半数近くが「月に数日」以上の頻度で被害を受けていることが判明した。また、「ハラスメントを受けた相手」を尋ねたところ、最も多かったのは「上司」で72.5%となり、他回答と大きく差をつけた。以降は、「先輩」が27%、「役員」が14.2%と続いた。
「パワハラ」の被害は8割超。「個人や能力を否定する言葉」が問題か
続いて同社は、「ハラスメントを感じた経験あり」とした回答者に、「受けたハラスメントの種類」を尋ねた。その結果、「パワーハラスメント(パワハラ)」が81.5%と圧倒的に多かった。以下、「モラルハラスメント(モラハラ)」が36.5%、「セクシャルハラスメント(セクハラ)」が20.6%と続いた。さらに、「具体的な内容」を尋ねると、「個人を否定するような言動」(54.9%)が最も多かった。以下、「能力を否定するような言動」(49.8%)、「精神的な攻撃や嫌がらせ」(37.3%)と続き、相手による否定的な言動や嫌がらせが起きているとわかった。また、上位には「第三者がいる場面での罵倒」や「役職や地位を振りかざすような言動」もあがった。
6割の職場で「ハラスメント防止策あり」も、「対策は不十分」との回答は7割に迫る
次に、「職場でのハラスメント防止対策はあるか」を同社が尋ねた。すると、「ある」は60.5%、「ない」は16.9%、「有無を知らない」が22.6%となった。また、「職場でのハラスメント防止対策がある」との回答者に、「職場のハラスメント防止対策の状況」を尋ねたところ、「十分な対策である」は30.7%にとどまり、「不十分な対策である」は69.3%と約7割を占めた。
「相談窓口の設置」などの対策も、半数以上が「ハラスメントによる退社」経験あり
最後に、前設問で「職場に防止対策がある」とした回答者に、「具体的な防止対策」を尋ねた。その結果、「相談窓口を設けている」(56.8%)が最も多く、以下、「ハラスメントガイドラインの周知」(45.5%)、「ハラスメント研修および教育を実施」(33.9%)と続いた。また、最初の設問で「ハラスメントを感じた経験がある」とした回答者に、「ハラスメントが原因で退職した経験はあるか」を尋ねると、「退職した経験がある」としたのは53.6%と、半数を超える結果となった。
自由回答では、「多くの会社でハラスメント対策はしていると思うが、根本的な是正につながっていない」や「上司が必要以上にハラスメントを気にしているようで逆にやりづらい」、「ハラスメントにあたる境界線が低くなっていて、何でもハラスメントだと思われてしまう」という声があがり、ハラスメントの境界線や企業の対応に関するコメントが顕著に現れたようだ。