「キャリアの方向性が決まっている」とする学生は微増
文部科学省等により「インターンシップを始めとする学生のキャリア形成支援に係る取組の推進に当たっての基本的考え方」が一部改正され、2025年卒学生(以下、25年卒)からは一定基準を満たせばインターンシップで企業が得た学生情報を採用選考活動に使用できることが決定した。また、26年卒以降の専門性人材における採用スケジュールの弾力化が検討されており、現在の大学1・2年生においては、採用選考に方針転換が生じるだろう。こうした流れの中、現在の大学1・2年生等は今後のキャリアについて、どう考えているのだろうか。はじめにマイナビは、「現時点において、大学卒業後に自分が就きたい仕事・キャリアの方向性が定まっているか」を尋ね、過去2年の同設問と比較した。すると、「具体的に決まっている」と「どちらかといえば、決まっている」の合計が、「23・24年卒」は41.8%、「24・25年卒」は42.6%、「25・26年卒」は43%と、わずかに上昇傾向にあることがわかった。
一方で、「全く決まっていない」との回答についても、「23・24年卒」が21.5%、「24・25年卒」が24.6%、「25・26年卒」では25.3%と年々増加しており、2年間で3.8ポイント増となった。
希望キャリアを意識し始めたのは「高校生より前」が7割を超える
前設問で「キャリアの方向性が決まっている」とした学生に、同社は「現在希望しているキャリアを意識し始めた時期」を尋ねた。その結果、「高校生より前」(高校生・中学生・小学生・幼少期の合計)が73.9%となり、大学入学前に将来のキャリアを意識し始めている割合が多かった。特に「高校生」が40.4%と最も多く、次いで「中学生」が19.9%だった。他方で、「大学生になってから」という回答も26.1%と4人に1人の割合でみられた。
将来で最も不安なことは「お金」。直近2年の「就職活動」を上回って最多に
次に同社は、「自分の将来に対して最も不安に感じていること」を尋ね、過去2年の同設問と比較した。すると、「25・26年卒」は「お金」が29.8%と最も多く、前回調査で1位だった「就職活動」を上回って2年ぶりに最多となった。以下、「就職活動」が26.9%、「働くこと」が16.2%と続いた。また、「不安なことに対して現時点から取り組んでいること」を尋ねると、「お金」に対する不安を抱える学生からは、「節約や貯蓄」や「投資の勉強」などの声があがったという。
社会人人生で比重を置きたいのは「仕事」や「家族」
次に同社は、「社会人になったあとの人生において、『仕事・家族・友情・恋愛・自分の趣味』にそれぞれどのくらいの比重をおきたいか」を尋ねた。回答の合計を平均すると、「仕事」が25.8%と最も多く、「家族」が25.7%で僅差となり、「自分の趣味」が19.1%と続いた。「仕事」の比重が多かった学生に「その理由」を尋ねると、「家族や友情に負けないくらい(比重をおいて)やりたいことを仕事にするつもり」や「仕事でお金を稼ぐことで家族に恩返ししたり、友人と遊んだり、恋人との将来を考えたい」などの声が寄せられたという。