ActionCOACH東京セントラル株式会社は2022年12月13日、「Z世代のマネジメントに関する実態調査」の結果を発表した。調査期間は2022年11月21日~22日で、Z世代のマネジメントに携わっている大企業(従業員数1,000名以上)の中間管理職(部長・課長・係長・課長補佐)101名から回答を得た。これにより、「脱・年功」に対する意見やZ世代のマネジメントに関する悩みなどが明らかとなった。
“Z世代社員のマネジメント”に悩みを抱える大企業管理職は約8割に。「年功序列」に賛同多数で“脱・年功”も進まずか

6割以上が「年功序列」に賛同。その理由は「キャリアプランが立てやすくなる」など

大企業を中心に「年功序列」を見直し、若手を管理職などに抜擢する動きが広がっているが、大企業の中間管理職は、年功序列から脱却する“脱・年功”やZ世代のマネジメントに対してどのような意識を持っているのだろうか。

はじめにActionCOACH東京セントラルは、「自身の年功序列に対する意見」について尋ねた。すると、「賛成」が24.7%、「どちらかといえば賛成」が35.6%で、合計60.3%となった。大企業の中間管理職の6割が、「年功序列」に対して賛同していることがわかった。
“脱・年功”に対する意見
また、「年功序列」に対して賛成意見を示した人に、「その理由」を質問したところ、「キャリアプランが立てやすくなると思うから」が57.4%で最多だった。以下、「評価基準がわかりやすくなるから」が52.5%、「帰属意識が高まり、定着率が向上すると思うから」が50.8%と続いた。
“脱・年功”に賛成する理由

約8割が「Z世代社員のマネジメント」に悩んだ経験あり

次に同社は、Z世代社員のマネジメントに関する意識を探るべく、「Z世代社員のマネジメントに悩んだことはあるか」を質問した。その結果、「かなりある」が31.7%、「ややある」が45.5%で、合計77.2%となった。約8割が、Z世代社員のマネジメントに関して何らかの悩みを抱えていることがわかった。
Z世代社員のマネジメントに悩んだことはあるか

悩みの内容は「働くことに対する意識や価値観が違う」が最多

続いて、同社が「Z世代社員のマネジメントに悩んだことがある」とした回答者に対し、「感じたことのある悩み」について尋ねた。すると、「働くことに対する意識や価値観が違う」が66.7%、「心が折れやすく落ち込みやすい」が56.4%、「ジェネレーションギャップが大きい」が52.6%で、上位となった。
Z世代社員のマネジメントで感じたことのある悩み

8割以上がZ世代社員のマネジメントに関して「意識していることがある」と回答

次に、「Z世代社員のマネジメントに関して、意識していることはあるか」を同社が尋ねた。その結果、「かなりある」が28.6%、「ややある」が53.5%で、合計82.1%が「意識していることがある」と回答した。
Z世代社員のマネジメントに関して意識していることはあるか

約7割がZ世代社員に対して「業務についての丁寧な指導」を意識

また、同社が「Z世代社員のマネジメントに関して意識していることがある」と回答した人に、「意識していることの内容」を複数回答で尋ねたところ、「業務について丁寧な指導をしている」が68.7%で最多となった。以下、「プライベートへの価値観を大切にしている」が55.4%、「失敗したり傷ついたりしないようなケアをしている」が50.6%と続いた。

自由回答には、「彼らの考え方を理解し、決められた時間内に仕事を済ませられるよう指導している」(53歳)や、「目標を一緒に考えるようにしている。状態・行動目標を具体的にし、一緒に進捗確認をしている」(46歳)、「彼らの多様性の価値観を尊重している」(42歳)といった声が寄せられたという。
Z世代社員のマネジメントに関して意識している内容
本調査から、いまだ「年功序列」に賛同する中間管理職が6割にのぼることがわかった。一方で、Z世代社員のマネジメントに関して「働くことに対する価値観の違い」などから悩みを抱える人が多い実態も明らかとなった。中間管理職のマネジメント力を伸ばすには、個人の意識に頼るだけではなく、組織的なアプローチも必要になるのではないだろうか。

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