2割以上が「スキル・経験のある人材の不足」を訴える。業界によって深刻度にも差
はじめに同社は、「現在の勤務先で抱えている人材課題」(※調査時期である2022年6月時点)を複数回答で尋ねている。すると、全体結果の上位は「スキル・経験のある人材の不足」が26.2%、「人材不足」が25.1%、「採用コスト」22.3%、「スキル・経験のある人材の採用」が22.1%となった。さらに、業界別に見ていくと、全体1位の「スキル・経験のある人材の不足」と回答した人の割合が多いのは「医療・福祉」(38%)や「金融・保険業」、「教育・学習支援業」(ともに33.3%)となった。また、全体2位の「人手不足」については「医療・福祉」(38%)や「建設業」(34.3%)が他と比べて高くなっている。さらに、全体3位の「スキル・経験のある人材の採用」では、「情報処理・情報サービス業」(39.7%)が最も高くなった。仕事をする上での“専門性”が求められる業界では、特に人材が不足していることがうかがえる。
経験のある人材を求める傾向から「OB・OGの再活用」に期待
次に、「人材の運用方法のうち、勤務先で実践してみたいと感じた人事戦略」を選択してもらった。その結果、トップは「OB・OGの再活用」で25.3%が回答。以降は、「登録制アルバイトの運用」が22.6%、「現役従業員の柔軟なシフト追加」が18.1%で続いた。一方、「単発バイト・ギグワーカーの活用」は16.7%で下位となった。全体結果のまとめとして、同社は「単発よりもOB・OGや登録制アルバイトなど、継続した経験のある人材に働いてほしい意向が高いのではないか」と推察している。「OB・OGの活用」が思うように進んでいない理由とは?
続いて、「OB・OGの再活用・再雇用を目的に、過去働いた人や連絡先などをリスト化して貯めているか」と質問した。すると、最も多かったのは「貯めていない」で、52.6%と過半数が回答。一方で、「貯めていて、有効に活用できている」と答えた人は24.1%で、「貯めているが有効活用できていない」が23.3%となった。「有効活用できていない」もしくは「貯めていない」と回答した人に、それらの理由を聞いたところ、「考えたことがなかった」が37.6%で最も多くなった。以降は、「手間が増えそう」(19.2%)、「社内調整が面倒」(15.3%)、「担当できる人がいない」(15.1%)などの回答が続いた。この実態について、同社は「OB・OGの利用意向が高いにも関わらず、人材データを積極的に活用しようと考えている人は少なく、『手間が増えそう』というイメージから運用が進んでいないのではないか」と推察した。