グローバル人材の約8割が「産後パパ育休」制度を詳しく知らない
2022年10月1日から「産後パパ育休(出生時育児休業)」制度が施行されたが、調査時点でのグローバル人材における認知度はどの程度なのだろうか。まず、ヒューマングローバルタレントが「『産後パパ育休』制度について知っているか」を質問した。その結果を回答者の勤務先別に分類すると、「知っている」の回答は日系グローバル企業(以下、日系)では17%、外資系企業(以下、外資系)では22%だった。「詳しくは知らないが聞いたことはある」と「知らない」の合計は、日系が84%、外資系が78%となり、グローバル人材には、あまり認知されていないことがうかがえる。「実際に自分で育休を取得したことがある男性」は日系・外資系ともにごくわずか
続いて、同社が「勤務先の男性で、育休を取得した人はいるか」と尋ねると、「はい」が、日系で21%、外資系で33%だった。また、男性のうち「自分が取得したことがある」人は、日系が2%、外資系が3%とごく少数だった。6割のグローバル人材が「男性育休を取りづらい」と感じている
次に、「勤務先の会社は、男性も育休を取りやすい環境だと思うか」と同社が尋ねると、グローバル人材全体では「はい」が40%、「いいえ」が60%だった。企業種別で見ると、日系の65%、外資系の51%が「いいえ(取りづらい)」と回答しており、日系企業勤務者のほうが男性の育休を取得しにくいと感じている人の割合が高かった。「育休を取りやすい環境である」と答えた理由のフリーコメントからは、「育休を取るのが当たり前の雰囲気がある」(日系勤務者)、「海外のオフィスでは男女ともに多数の取得実績がある」(外資系勤務者)といった声があがった。
一方で、「取りづらい」と感じている人からは、「属人的な仕事が多く、人員に余裕がない」(日系勤務者)や、「会社規模が小さく、短期間の代理が配置できない」(外資系勤務者)といった意見があった。
育児経験のある男女で「育児の影響で転職したことがある」とした人は約3割に
続いて、同社が男女の育児経験者に対し、「育児の影響で転職したことがあるか」を質問した。その結果、「はい」が日系で28%、外資系で33%だった。ライフスタイルの変化が、勤続に影響を与えた経験があるのは、外資系企業勤務者のほうがやや多いことがうかがえる。日系では「リモートワーク」、外資系では「フレックス勤務」が求められている
次に、同社が「育児の影響で転職したことがある」とした回答者に、「転職先に最も求めた条件」について聞いた。すると、日系では「リモートワーク」が28%で最多となり、出社することへのハードルを高く感じている人が多いことが推察できる結果となった。一方で、外資系では「フレックス勤務」が35%でトップとなり、柔軟に働ける職場環境を強く求めていることがうかがえる。
7割以上が「男性の育休取得」について肯定的な意見を持つ
最後に、「男性も育休をもっと取得したほうがよいと思うか」を同社が質問すると、「はい」の回答が日系で75%、外資系で74%となり、肯定的な意見が多かった。「はい」と答えた人に、「その理由」をフリーコメントで尋ねると、「子育てに携わる重要性はもちろんのこと、一度職場から離れることで、仕事に対する意識や姿勢に変化が生じると思うため」(日系勤務者)や、「育休に限らず、家庭との時間を考慮して労働環境を整えるのは当然の義務だと思う」(外資系勤務者)といった声があがった。