
「経営者が従業員に求めるストレス耐性」は従業員の認識より高い結果に
ストレス耐性や組織的なメンタルヘルスケアについて、経営者と従業員の認識にギャップはあるのだろうか。はじめに、リンケージが「経営者は、従業員にストレス耐性を求めているか」と質問すると、「求めている」(「非常に求めている」と「やや求めている」の合計)が、従業員では47.5%、経営者では64.3%となった。従業員が認識しているよりも、経営者は従業員に高いストレス耐性を期待していることがうかがえる。
経営者は自身に対し「高いストレス耐性」を求める傾向に
続いて、同社が「経営者は精神的支柱であるため、高いストレス耐性を持つべきだと思うか」と質問すると、「そう思う」(「非常にそう思う」と「ややそう思う」の合計)が、従業員では71.7%、経営者では87.4%で、15.7ポイントのギャップがあった。経営者が思うほど、従業員は経営者に対し高いストレス耐性を求めていないことがわかる。あわせて、「経営者自身のストレス耐性への認識」について聞くと、自分に対して「ストレス耐性が高い」と考える経営者は74.1%だった。「精神的な支柱であるべき」と考える経営者が87.4%だったことから、“自ら期待するストレス耐性”と“自己認識”に13.3ポイントのギャップがあるようだ。同社は、「経営者自身が、自分に過度の期待をしているのではないか」と推察している。

「落ち込んでいる時の相談意向」でも経営者と従業員で大きな認識ギャップあり
次に、同社は経営者に対し「メンバーが落ち込んでいる時などに相談されたいと思うか」を聞くと、「そう思う」(「非常にそう思う」と「ややそう思う」の合計)が84.5%だった。一方で、従業員に対し「自身が落ち込んでいる時などに上司に相談したいと思うか」を尋ねると、「そう思う」(同合計)が50%で、「相談されたい」とする経営者の割合とは34.5ポイントの差があった。
上司を相談相手としない理由は「解決しそうにない」が最多
続いて、同社が「上司にメンタルヘルスに関して相談しようと思わない」とした従業員に対して「その理由」を質問すると、「解決しそうにない」が52.6%で最多だった。以下、「相手を信頼していない」が43.4%、「相手が忙しそうで相談しづらい」が18.4%で続いた。
