8割以上が上場企業の“人的資本情報開示の義務化”を「知っている」と回答
2020年8月に、米国証券取引委員会(SEC)が上場企業に対し「人的資本に関する情報開示」を義務付けたことをはじめとして、人的資本の情報開示への関心は国際的に高まっていると考えられるが、国内企業ではどのような状況なのだろうか。はじめにエッグフォワードは、「SECが上場企業に人的資本に関する情報開示を義務付けたことを知っているか」を尋ねている。すると、「知っている」が82.7%、「知らない」が17.3%だった。約9割が「人的資本開示の必要性が高まる」との見方を示す
続いて、同社が「“人的資本を開示する考え方”は、今後日本でも必要性が高まっていくと思うか」を質問したところ、「非常にそう思う」が45.2%、「ややそう思う」が42.3%で、合計87.5%だった。「そう思う」理由としては、「(企業価値をはかる指標は)有形資産から無形資産に移行しているから」や「ESG投資の重要性が高まっているから」、「経営戦略と人材戦略の連動が重要となるから」といった声が多く集まった。
6割以上の企業で「人的資本の情報開示」への取り組みを実施
次に、同社が「自社において、人的資本の情報開示に取り組んでいるか」を尋ねた。その結果、「既に取り組んでいる」が60.6%、「取り組んでいないが、予定している」が25%だった。9割以上が「人的資本開示の取り組み」に何らかの課題を抱えている
続いて同社は、人的資本の情報開示に「既に取り組んでいる」または「取り組み予定あり」とした回答者に対し、「取り組みに関して課題を感じているか」を質問した。すると、「非常に感じる」が42.7%、「やや感じる」が51.7%で、合計94.4%となった。「具体的な進め方がわからない」との課題が過半数に
また、同社が「課題を感じている」とした回答者に、「具体的な課題」を複数回答で尋ねると、「具体的な進め方がわからない」が53.6%で最多だった。以下、「社内データの集め方がわからない」が45.2%、「手探り状態で正解がわからない」が42.9%などと続いた。自由回答からは、「効果的な方法がわかりにくい」や「同業他社の取り組みがわかりにくい」といった声も聞かれた。