テレワーク環境下で「部門間の対立」は進んだのか?
テレワークが浸透する企業の経営層は、社内の部門間連携をどう見ているのだろうか。はじめにレンズアソシエイツが、「自社において部門間の対立・わだかまりを感じたことがあるか」を質問すると、「かなりある」が23.5%、「ややある」が40.2%で、合計63.7%となった。6割以上は、「部門間対立がある」と認識していることがわかった。部門間の対立を感じた場面は「部門間のコミュニケーションが少ないこと」がトップ
続いて、同社は「社内で部門間対立を感じたことがある」とした回答者に、「そう感じた場面や理由」について質問した。すると、上位の回答は、「部門間のコミュニケーションが少ない」が66.2%、「自部門(部署)の利益ばかりを重視している」が60%、「各部門が同じ方向を向いていない」が47.7%となった。また、自由回答では、「他部署の動きに関心がない」や「知らない社員がいる」、「部門によって重視することが異なる」などの意見があった。
3社中1社が「テレワークで部門間対立への危機意識が高まった」と回答
次に、「テレワークによって、部門間の対立に関する危機意識が高まったか」を聞くと、「かなり高まった」が15.7%、「やや高まった」が20.6%で、合計36.3%となった。「高まった」との回答の理由としては、「部門の垣根を越えたコミュニケーションが難しくなったから」や「テレワークで社員の様子が見えづらいから」、「自分自身、社員とのコミュニケーションの機会が減っているからといった声が多かった。
「部門間の対立を解消する対策」は7割が実施
次に、同社は「部門間対立がある」とした回答者に対し、「部門間の対立を解消するために、自社で施策を実行したことはあるか」を質問した。すると、「ある」が70.9%、「ない」が20%となり、部門間の対立を解消するために何らかの対策を講じた企業が7割にのぼることがわかった。「部門間の対立を解消するための施策」の実施効果は?
また、「施策を実行したことがある」とした回答者に、その実施効果を問うと、「かなりあった」が21.7%、「ややあった」が45.7%で、合計67.4%となった。一方で、「全くなかった」は13%、「あまりなかった」は19.6%で、合計32.6%となり、3割以上は効果を実感できていないと判明した。「効果があった」とした回答者に施策の内容を聞くと、「各部門を横断して実施するプロジェクトを立ち上げ、定期的に意見交換をする場を設けた」や、「部門間の壁を無くすべく、評価基準を変えた」といった声があがった。