組織への不安感はどの程度増したのか
新型コロナウイルス感染症拡大に伴ってテレワークが普及し、組織におけるマネジメントの方法も変容しつつある。では、現場で指揮を執る部長、課長クラスは変化後の状況をどう見ているのだろうか。同社が、「コロナ禍により、勤務先の組織に関する不安が増加したか」を質問すると、「非常にそう思う」が14%、「ややそう思う」が41%で、合計55%となった。ミドルマネジメント層の半数以上は、不安が増加したと感じていることがわかった。
背景にあるのは「マネジメントとメンバー間のコミュニケーションの減少」
また、「コロナ禍により不安が増加した」とした回答者に、「その理由」を尋ねると、トップとなったのは「メンバーとのコミュニケーションが減った」で54.5%が回答。以下、「業績が不安定になった」が45.5%、「業務負荷が増えた」が41.8%と続いた。その他の自由回答では、「社内の状況がよくわからなくなった」や「新型コロナ陽性者が発生した際の、代務要員確保等の課題がある」といった声もあった。
3人に1人が、コロナ禍により会社の目指す方向性が「不透明になった」と回答
次に、同社が「コロナ禍で会社の目指す方向性が『不透明になった』と感じているか」を尋ねた。その結果、「非常にそう思う」が4%、「ややそう思う」が28%、「あまりそう思わない」が43%、「全くそう思わない」が23%となった。全回答者うち、3割強が「不透明になった」という感覚を持っているようだ。会社の方向性が不透明だと感じる理由は?
さらに前出の、「不透明になったと感じている」とした回答者に、「その理由」を尋ねた。最も多かったのは、「会社全体の一体感が感じにくい」で65.6%でとなり、以下、「経営者の考えがわからない」が46.9%、「同僚・部下の考えがわからない」が37.5%と続いた。その他の自由回答では、「離職者が増えたために、行き当たりばったりの人材配置になっている」、「周囲の人のことを考えない社員が増えた」という意見もあった。
先行きの不透明感は「ミドルマネジメント自身」のパフォーマンスにも影響
また、同じ対象者に、「会社の目指す方向性が不透明になったことで、自身や同僚に対してどのような影響があったか」を質問した。その結果、「パフォーマンスが発揮しづらくなった」、「エンゲージメントが低下した」、「意思決定しづらくなった」の3つの項目が同率で34.4%となった。その他の自由回答では、「一緒に働いている一体感がなくなってきた」、「自身や同僚の評価が不透明になった」といった声があがった。