「ウェルビーイング」への注目度が高まっている
厚生労働省によると、「ウェルビーイング(Well-being)」とは、「個人の権利や自己実現が保障され、身体的、精神的、社会的に良好な状態にあることを意味する概念」とされている。近年では働き方改革の一環として、社員のウェルビーイングの向上を図る取り組みを行う企業もあるが、その実態や取り組み内容はどのようになっているのだろうか。はじめにUPDATERは、「ウェルビーイングへの取り組みの重要性が高まっていると思うか」を質問している。すると、「かなりそう思う」が24.4%、「ややそう思う」が44.7%で、「そう思う」とした回答は合計69.1%と7割近くに上った。
また、「勤務先の企業において『ウェルビーイング』や『ハピネス』などが話題に上がることはあるか」という質問に対しては、「かなりある」が22.8%、「ややある」が36.6%と、こちらも「ある」と回答した企業が合計で59.4%となり、過半数を占めた。いずれの結果からも、「ウェルビーイング」への関心の高まりがうかがえる。
6割の企業が「ウェルビーイング」への取り組みを実施中
次に同社が、「勤務先の企業ではウェルビーイングへの取り組みを実施しているか」を尋ねると、「積極的に取り組んでいる」が22.7%、「やや取り組んでいる」が38.2%で、合計60.9%の企業が、ウェルビーイングへの取り組みを実施していることが明らかとなった。反対に、「あまり取り組んでいない」が16.3%、「全く取り組んでいない」が22.8%と、「ウェルビーイングに取り組んでいない」とした回答者は合計39.1%だった。取り組み内容は「社内コミュニケーション向上の施策」が7割超
「ウェルビーイングへの取り組みを実施している」とした回答者に対する、「実施内容」についての質問(複数回答)では、「社内コミュニケーション向上の施策」が73.3%でトップとなった。以下、「メンタルヘルス向上の施策」が56%、「勤務体制の柔軟化(フレックスタイム制など)」が48%などと続いた。フリーコメントでは、「休暇日数の増加や有給取得率の向上」や「地方でのリモート」といった回答があった。
「ウェルビーイング」に取り組んでいない理由は「自社に合う取り組みがわからない」が最多
さらに同社は、「勤務先ではウェルビーイングへの取り組みを実施していない」とした回答者に対し、「その理由」を複数回答で尋ねている。その結果、「自社に合う取り組みがわからない」が31.2%で最多となり、以下「社内説得が難しい」(18.8%)、「何をすればいいかわからない」(16.7%)、「従業員の状態が測定できない」(12.5%)などと続いた。フリーコメントでは、「取り組む余裕がない」や「経営幹部があまり必要性を感じていない」といった回答があった。