大企業ほど、コロナ禍のマネジメントの難しさを強く感じる傾向に
新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受けて働き方が多様化するなか、マネジメントの難易度はどのように変化しているのだろうか。はじめにチームスピリットは、役職者300名に対し「コロナ禍におけるマネジメントの難易度」について尋ねた。すると、「コロナ禍でマネジメントの難易度が上がった」が11.7%、「どちらかと言うとコロナ禍でマネジメントの難易度が上がった」が36.3%で、「難易度が上がった」との回答が合計48%と半数近くになった。
回答を企業規模別に見ると、「難易度が上がった」と回答した割合は大企業(従業員数1,000名以上)で56%、中堅・中小企業(従業員数999名以下)で44%となり、大企業が中堅・中小より12ポイント高かった。企業規模が大きいほど、コロナ禍でのマネジメントの難しさを強く感じる傾向にあるようだ。
2割以上が「コロナ禍でサービス残業が増えた」と回答。役職者で特に増加傾向
続いて同社は、役職者と一般社員の両方を対象に、コロナ禍以降の「会社に報告していない超過勤務(サービス残業)」の状況を聞いている。その結果、全体では「増えた」が8.3%、「どちらかと言えば増えた」が14%で、「増えた」との回答が合計22.3%だった。役職別に見ると、「サービス残業が増えた」と回答した役職者が合計24.6%となり、一般社員の同回答の合計20%よりも4.6ポイント高い結果となった。さらに企業規模別に見ると、大企業で「サービス残業が増えた」と回答した役職者は合計26%、一般社員は同21%で、役職者が5ポイント高くなった。これらの結果から、コロナ禍によるサービス残業は一般社員よりも役職者の間で増えており、特に大企業の役職者において増加傾向にあることが分かった。
約4割の大企業役職者が「身体的な負担や疲労感が増えた」と回答。中堅・中小企業と比べ多数
加えて、コロナ禍以降の「身体的な負担や疲労感」について聞くと、全体で「増えた」が9%、と「どちらかと言えば増えた」が20.2%で、「増えた」が合計29.2%となった。企業規模別で見ると、大企業では「増えた」の合計が34%で、中堅・中小企業の同回答の合計26.8%と比べて7.2ポイント高かった。さらに、役職別に見ると、「増えた」と回答した役職者の割合は大企業で合計39%、中堅・中小企業で合計28.5%となり、大企業の役職者が10.5ポイント高い結果だった。
「チームメンバーとの相互理解度」の認識に、役職間でギャップも
次に同社は「現在のチームメンバー(上司・マネージャーを除く)との関係性」について、どう感じているかを尋ねた。すると「相互で理解が足りていない」が5.4%、「どちらかと言えば相互で理解が足りていない」が27.5%で、「相互理解が足りていない」とした回答が合計32.9%となった。役職別に見ると、「相互理解が足りていない」と回答した一般社員は合計37.8%、役職者は合計28.1%と、一般社員が9.7ポイント高くなった。役職者と一般社員の間で、チームメンバーとの相互理解における認識にギャップがあると予測される。
相互理解不足の原因は「自身の忙しさからコミュニケーションの時間が取りにくい」が最多
また、「チームメンバーとの相互理解が足りていない」と回答した人に対し、「その理由」を尋ねると、全体では「自分自身が忙しくてコミュニケーションする時間が取りにくい」が54.1%で最も多くなり、以下「相手の忙しさを鑑みて、話しかけるのをためらってしまう」が42.9%、「相手のことを知らないから」が30.1%と続いた。回答を役職別に見ると、「自分自身が忙しくてコミュニケーションする時間が取りにくい」とした役職者が65.5%で、一般社員の同回答の数(45.5%)と比べて20ポイント高い結果だった。6割以上の役職者にとって、コミュニケーション不足の原因は「自身の忙しさ」にあるようだ。