8割以上の管理職が、トラブル回避のため発言を躊躇した経験「あり」。その場面とは?
社会全体で「ハラスメント」への意識が高まっているが、上司と部下のコミュニケーションにはどのような影響を与えているのだろうか。はじめにダイヤモンド・コンサルティングオフィスは、「部下への指導やコミュニケーションをとる際、『ハラスメントになるのではないか』という不安から、発言を躊躇した経験はあるか」を尋ねている。すると、「はい」が83%となり、8割を超える上司が“ハラスメントトラブルを回避したい”という思いから、部下への発言を躊躇った経験があることがわかった。
「ハラスメント」のトラブル回避が、部下への育成指導に影響か
続いて同社が、「ハラスメントトラブル回避のため、部下への発言を躊躇したことがある」とした回答者に「業務遂行上どのような影響が出ているか」を質問した。すると、「部下の育成指導がしづらい」が64.5%で最多となり、以下「部下と関係構築のための十分なコミュニケーションがとりづらい」が46.3%、「部下の能力開発をしづらい」が39.8%などと続いた。部下からハラスメントを「指摘された経験あり」は約1割。上司と部下の認識に違いか
次に同社が、「部下から『その発言はハラスメントです』と言われたことがあるか」を尋ねたところ、「はい」は11.9%だった。実際に部下からハラスメントを指摘されたことがあると答えた上司は、約1割にとどまった。約4割がハラスメントのトラブルを避けるために、部下と関わらないようにしようと思った経験あり
続いて同社は、「部下からハラスメントを指摘されることを恐れ、『部下となるべく関わらないようにしよう』と思ったことはあるか」を聞いた。すると、「はい」が41%となり、発言だけでなく、コミュニケーションも躊躇する上司が4割に上ることがわかった。また、「ハラスメントのトラブル回避のため、どのようなサポートがあったら嬉しいか」について聞いたところ、「事例・発言例の提示」や「研修・教育」、「相談窓口」との回答が多く寄せられた。その他、「第三者の介入」や「仲裁」などを希望する人も一定数おり、「トラブルの予防」と「事後対処」の両方にニーズがあることが明らかとなった。