志望業界が「決まっていない」学生が増加傾向か。「情報・インターネットサービス」が志望者数トップに
2023年3月に卒業を控えている学生は、2022年1月の段階で、どのような就職意向や、就職活動の実績があるのだろうか。はじめにディスコは、「2022年1月1日時点での志望業界の決定状況」を尋ねた。その結果、「明確に決まっている」が34.1%で、前年同時期調査の32%を上回った。一方で、「決まっていない」が25.5%で、前年同時期調査の23.1%より多くなったことから、業界を絞らずに活動を進める層が微増していることもわかった。同社は、「インターンシップなどで企業と接点を持つ中で、志望業界を見直す学生も出てきている」との見解を示している。
また、「志望業界が決まっている」とした学生に対し、「具体的な業界」について尋ねたところ、全体で最も多いのは「情報・インターネットサービス」で20.8%だった。以下、「情報処理・ソフトウエア」が19%、「銀行」が16.4%などと続いた。また、IT業界のほか製造業も上位となった。
9割超が就職先企業選びの際に「仕事を通して成長できること」を重視
次に同社は、「仕事を通じて成長できること」など3項目について、「就職先企業選びへの影響度合い」を質問している。すると、「仕事を通して成長できること」については、「かなり影響する」(51.2%)と「ある程度影響する」(40.9%)の合計が92.1%となった。「柔軟な働き方ができること」は同合計90.5%で、前年調査時と内訳を比較すると、「かなり影響する」が15ポイント増と大きく増加した。また、「多様性のある職場環境であること(ダイバーシティ推進)」も、同合計が77.7%で8割近くとなり、いずれの項目も企業を選ぶ上で重要度が高いことがうかがえる。インターンシップ等に「参加経験がある」学生は約9割。「1日以内」の参加が増加か
続いて同社は、「インターンシップ等のプログラムへの参加経験」を尋ね、3ヵ年分のデータを比較した。すると、調査時点で「参加経験がある」とした学生は88.2%と、9割に迫った。「プログラム日数別の参加状況」を集約すると、全体で最も多いのは「1日以内」の84.1%という結果だった。他方で、「5日間以上」のインターンシップ参加経験を持つ学生は23.3%と、2割台にとどまった。また、「プラグラム日数別参加社数」をまとめると、23卒者では「1日以内」のプログラムへの参加は平均8.6社となり、22卒者より1.5社増加、21卒者より3社増加した。同社の見解では、「新型コロナウイルス感染症拡大をきっかけに、インターンシップの実施の主流がオンラインとなる中で、比較的短期間でのプログラムへの参加機会が増えたことがうかがえる」としている。
約半数が本選考の経験「あり」と回答。「インターンシップから早期内定」のケースが多数
次に、同社は「本選考(採用選考)の受験状況」について尋ねた。その結果、1月1日時点で筆記試験や面接などの「本選考を受けた経験がある」学生は、49.2%で約半数となった。前年調査の41.5%からは7.7ポイント増加しており、一部の企業で採用活動を早期化させたり、新型コロナの感染者が減ったことから、採用活動を強化していたりといった状況にあることが推測できる。就職戦線は前年より「やや楽になる」との見方が増加。感染状況には懸念も
最後に同社が、「23卒者の就職戦線が、1年前の2022年卒者と比べてどのようになると見ているか」を尋ねた。すると、「非常に厳しくなる」が8.1%、「やや厳しくなる」が48.4%で、「厳しくなる」との見通しを持っている学生の合計が56.5%となった。前年同期調査の合計94.3%から大幅に減少し、代わりに「やや楽になる」が前年の4.9%から42.7%へと大きく増加した。就活戦線を楽観視する学生が、前年より大きく増加していることがわかった。ただし、「今後の新型コロナの感染状況が採用数に影響するか」については、「大いに影響が出ると思う(感染が拡大すれば採用数が減少する)」が19.5%、「やや影響が出ると思う」が49.6%で、「影響が出ると思う」と予測している人が合計69.1%となった。新型コロナの感染状況により、今後の採用数に影響が出るとの見通しを持っている学生も一定数いると推測できる。