忘年会に参加したい理由は「親睦を深めたい」。全年代においてトップに
新型コロナウイルス感染症の流行が落ち着きつつある現在、ビジネスパーソンは忘年会に対し、どのように感じているのだろうか。調査では、はじめに、年代別に「忘年会に参加したい理由」を聞いている。「会社の人と親睦を深めたい」が各世代ともトップで、50代で66.1%、40代で67.4%、30代で72.7%、20代で60%となった。他方で、特に年代間の差が顕著だったのは、「1年の頑張りを同僚と労いたい」で、50代では45.6%だったのに対し、20代では21.7%と2倍以上のポイント差があった。年代によって「忘年会へのモチベーション」の差がうかがえる項目もあるが、「忘年会を通じ、会社の人とコミュニケーションを取りたい」という意識は、全年代で共通していることがわかる結果となっている。半数近くの20代が「『マナー疲れ』がなければ忘年会に参加してみたい」と回答
一方で、「忘年会への不参加理由」にはどのようなものがあるのだろうか。そこで、「不参加」を希望する20代に対する、「参加したくない理由」についての質問の結果を見てみると、「上司や部下に気を遣うから」が54.9%で最多に。以下、「帰宅が遅くなる」が50.1%、「お金を払いたくない」が48.8%、「業務時間外まで関わりたくない」が44.8%と続いた。他の年代と比較し、特に差が顕著だったのは、「飲み会でのマナーが面倒」の39.5%で、50代と24.7ポイントもの差があった。他にも、「お金を払ってまで会社の人に気を遣いたくない」、「上司に対してお酌をしたり、料理を取り分けたりするのが面倒」といった、「マナー疲れ」がうかがえる回答もあり、忘年会に対するモチベーションにおいて、上司と部下の間にギャップがあることがわかる結果だった。忘年会は「同僚とのコミュニケーションの場」。人間関係構築にポジティブな影響も
続いて、全年代に対して、「忘年会のイメージ」について質問している。「同僚同士で仲良くなれる」との回答が45.4%でトップに。それ以下にも、「上司との親睦を深められる」(35.5%)や、「部下との親睦を深められる」(28.1%)などが上位に続いたことから、忘年会は「同僚や上司・部下とのコミュニケーションの場」と捉えられていることが推測できる。「忘年会を通じ、同僚のプライベートに関することが知りたい」と回答する20代もいたため、忘年会が職場の人間関係構築にポジティブな影響を与えるケースもあるかもしれない。コロナ禍入社世代は「コミュニケーション不足」が悩みか
次に、316名の“コロナ禍入社世代”を対象に、「入社後、不便に思っていること」について聞くと、「社内での人との繋がりを広げにくい」が、「あてはまる」(23.8%)と、「どちらかというとあてはまる」(35.3%)の合計が59.1%となった。以下、「同僚との人間関係が深めにくい」が同54.4%、「自分の成長を実感しにくい」が同43.5%、「自分の仕事内容や忙しさについて周囲の人に理解してもらいにくい」が同43%となった。社内でのコミュニケーション不足から、人間関係に関する悩みを抱えている人が多いことがわかる。コロナ禍入社世代の約6割が忘年会の参加を希望。全年代と比較して高い結果に
また、同対象に、「会社の忘年会に参加したいか」を尋ねた。すると、「参加したい」が21.8%、「少しは参加したいと思う」が35.8%で、意思の度合いに関わらず、合計57.6%が参加意向を示した。これは、全年代の平均52.8%と比較して4.8ポイント高く、ポジティブな結果だと言える。「参加してみたい理由」についてのフリーコメントからは、「入職してから一度も先輩や上司とプライベートで話したことがないので、忘年会で親睦を深めたいから」、「入社してから飲み会をしたことがないので、会社の人ともっと仲良くなりたいから」、「リモートワークでコミュニケーションが取りづらい中、忘年会は同僚と親睦を深めることのできる貴重な交流の場になると感じるから」といった声があがっていた。人間関係の悩みを抱える“コロナ禍入社世代”では、「コミュニケーション」という観点から、忘年会に興味を持っている人が多いことがうかがえる結果となったようだ。