株式会社ビズリーチは2021年10月28日、「中途採用に関するアンケート」の結果を発表した。調査期間は2021年9月27日~10月3日で、企業の採用担当者271名から回答を得た。これにより、新型コロナウイルス感染症拡大前と比較した、現在の中途採用の状況などが明らかとなった。
7割以上がコロナ禍による「即戦力採用難度の高まり」を実感。現場の採用への携わり方や把握すべきポイントとは

7割以上が「3年前より難しくなった」と回答

新型コロナウイルス感染症拡大前と比較し、現在の中途採用市場はどのような状況だろうか。「3年前に比べ、即戦力人材の採用難度は高くなっているか」を尋ねると、「全体的に上がっていると感じる」は39.9%、「一部職種で上がっていると感じる」は37.2%と、合計77.1%が「難度は上がっている」と感じていた。

また、「採用が難しいと感じるポジション」を、「その理由」と併せて尋ねたところ、「IT開発系のマネジメント層:需給バランスに加え、スタートアップの魅力度が増している影響もあり、採用が難しい」、「DX領域の人材:具体的な業務とのマッチングが必要で、難度がより高い」などの回答があった。各業界でデジタル化への取り組みが進み、「ITエンジニア」や「管理職・マネージャー」のニーズが高まっていることがうかがえる。また、オンライン選考が浸透したことで、人材の獲得競争が激化したことも背景にあると推測される。
3年前に比べ即戦力人材の採用難度は高まっているか

半数がスカウト型求人サービスは「即戦力採用に有利」と回答

続いて、「即戦力人材の採用と相性の良い採用手法」を尋ねると、「スカウト型求人サービス」との回答が54.2%でトップに。その理由として、「多くの人材の職務経歴書を見ることで、人材要件を明確にできる」、「選考前にスキルや職務経歴を把握できるため、ミスマッチが少ない」、「採用工数は増えても、企業が求める人材へ直接アプローチできる」などの回答があった。
即戦力人材の採用と相性の良い採用手法

「人事と現場が連携して採用にあたっている」という企業は7割以上

「採用活動(人材の要件定義や候補者のリサーチ)に携わる部門」を挙げてもらうと、「人事と現場(受け入れ部門)」が73.1%、「人事と経営」が17.3%、「人事のみ」が9.6%となった。
採用担当に携わっている部門

現場が最も携わる採用プロセスは「面談・面接」

「現場(受け入れ部門)が採用にどの程度携わるか」を各プロセス別に聞くと、「とてもあてはまる」もしくは、「あてはまる」と答えた人の割合が最も多かったのは、「面談・面接対応」で合計90%だった。次点は「合否の判断」で合計86.5%、3位は「人材要件の決定」で合計85.9%となった。反対に、最も少なかったのは「人材のリサーチや母集団形成」で、合計40%と半数を下回った。
中途採用における現場の携わり方
先述の、「中途採用に現場が携わっている」という採用担当者に、「現場が携わる前と比べ、中途採用はうまくいっているか」を尋ねた。すると、「はい」が71.8%で、7割以上が「うまくいっている」と実感していた。その理由には、「現場が要件定義をするほうがミスマッチをなくせる」、「候補者の入社意欲を高められる」、「現場が採用に携わることで、入社後も一貫したフォローができる」などの声があがった。
現場が携わる前と比べ、中途採用はうまくいっているか

9割以上が現場の「転職マーケット把握」が重要と回答

最後に、「現場の責任者が転職マーケットの状況を把握しておくことは、中途採用を成功させるために重要か」を尋ねた。すると、58.3%が「重要」、36.5%が「どちらかといえば重要」と回答し、合計で94.8%が「現場の転職マーケット把握が重要」だと感じていた。
現場の責任者による転職マーケットの状況把握は重要か
調査結果からは、多くの企業で「人事と現場が連携」して採用活動を進めている実態が明らかとなった。「中途採用市場の情報」を社内で共有しながら、現場責任者が「転職マーケットの状況」を把握した上で、よりミスマッチが起きない採用のあり方を探っていきたい。

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