新たな経営スタイル、10項目の取り組み内容は
昨今、企業だけでなく社会全体で、DXの進展やAI活用の拡大といった社会および経済の環境変化に加え、感染対策やリモートワークの拡大など、新型コロナウイルス感染症拡大による環境変化への対応が求められている。このような中でNTTグループは、Afterコロナの時代を見据えた業務変革やDXの推進として、これまでの各制度の見直しおよびIT環境の整備を進めている。今回はその一環として、リモートワークを基本とするワークスタイルへの移行を通じて健康経営(ワークインライフ)を推進するとともに、“オープン”、“グローバル”、“イノベーティブ”な業務運営により、顧客のDX支援、地域創生の促進、レジリエンスの向上、分散型社会への貢献等に繋げたい考えだ。具体的な取り組み内容は以下の通り。
1.クラウドベースシステムおよびゼロトラストシステムの導入:
「Work From Anywhere」を可能とするIT環境の整備2.営業・開発・保守業務等の自動化および標準化:
デジタルマーケティングによる中堅中小企業層の顧客へのリーチの拡大、自社のDXで活用したPFを顧客にも提供 など3.コンダクトリスク等を考慮したガバナンスの充実:
サービス等ライフサイクルの的確な管理、危機管理能力の向上といった対策を実行し、ステークホルダーとの適切な関係を構築4.請求書や受発注書等の紙使用の原則廃止:
NTTグループ全体の紙使用を原則ゼロ化5.業務変革・DXを推進するための制度見直し:
リモートワークに適切な情報セキュリティの体系化、DX推進に向けたコア人材の育成 など6.女性および外国人・外部人材の活躍推進:
女性の管理者・役員への登用推進、外国人および外部人材の積極採用、グローバル経営人材の育成 など7.ジョブ型人事制度の導入:
ジョブ型人事制度を全管理職へ拡大、自律型キャリア形成の推進8.職住近接による健康経営の推進:
リモートワークを基本とするワークスタイルへの移行、働く場所の選択制、「一極集中型組織」から自律分散した「ネットワーク型組織」へ改革9.組織を地域へ分散:
首都圏等から地域(中核都市)へ組織を分散、地域の一次産業等に対する地方創生事業を推進10.情報インフラの整備推進:
地方での街づくりや新しい社会インフラの開発導入(IOWN導入計画等)の推進、自然災害に対応できる強靭なインフラ整備さらに同社では、新たな環境エネルギービジョンとして「NTT Green Innovation toward 2040」を同時に発表。ESGへの取り組みによる企業価値向上と、Well-being社会の実現を目指すという。「事業活動による環境負荷の削減」と「限界打破のイノベーション創出」を両立させ、「環境負荷軽減」と「経済成長」といった、相反する目的の同時達成を実現させていきたいとしている。
コロナ禍により新たなワークスタイルが浸透しつつあるいま、制度の変革など環境整備が求められている。このように、ニューノーマルを見据えた運営改革を検討してみてはいかがだろうか。