「社内提案制度」をリニューアル、現場と一体となった経営システムの構築へ
ベネッセは創業以来、「現場発」で顧客課題および業務課題の解決を実現する組織風土を大切にしている。1970年代からは、その時々の課題解決のため「社内提案制度」を開催してきた。また、同社の中期経営計画では「コア事業の進化」と「新たな成長に向けた新領域への挑戦」を掲げ、中長期での持続的成長を目指しているという。同社は今後、恒常的にベネッセの課題解決に向けて取り組んでいけるような「社内提案制度」にするためリニューアルを実施し、「B-STAGE」として開始した。現場社員が持つ問題意識とアイデアに焦点をあて、「経営」と「現場」が一体になって取り組めるよう、参加のしやすさや、モチベーションが高まる仕組みを意識しているという。
「B-STAGE」において工夫したポイントは以下の通り。
●「コーポレートスタッフ部門」や「事業戦略・事業基盤部門」など全社横断的な事務局体制で企画を支援
●グループの社員全員が1名からでも参加可、かつ複数案件の応募可
●テキストだけのペーパー1枚から提出可
●社外のメンバーも交えたチームでの提案も可
●選考結果の次年度事業計画への反映 など
これらのリニューアルのもと、2021年6月14日~8月25日までのエントリー期間中に合計1,782件(新規事業提案部門875件、業務改革提案部門907件)の応募があり、9月中に行われる「1次審査」へとステップを進めている。その後は10月の2次審査を経て、12月に最終審査(プレゼンテーション)を実施、結果発表する。さらに2022年1月頃から、選考結果を次年度事業計画に反映するという。これらを通じ、「現場発」の組織風土やDNAを活かしながら、課題解決に取り組む経営システムを構築していきたい考えだ。
全社員からアイデアを募る機会を設けることで、経営陣と現場社員の思いをダイレクトにつなげるチャンスになるかもしれない。社員のモチベーション向上となるような課題解決の制度を、改めて検討してみてはいかがだろうか。